File10 タイヤチェーン

 雪が降ると普通は走れなくなるのが2輪車。しかしそれでも走らなければいけない人はいます。郵便局しかり、新聞配達しかり。
 幸い125cc以下の2輪車には、スパイク規制が適用されず、スパイクタイヤの着用が可能です。

 ただしこれは実用上のお話。街場など積雪よりは圧雪、あるいは凍結という場合に有効なもの。

 バイクを遊びで使う。
 雪が降った。雪中走行してみたい!・・・こういう場合、圧雪を走るわけではなく新雪を走りたいわけですよね。ブロックパターンの深いエンデューロタイヤなどなら結構走れる様です。
 2月号の「怪しい軍団が行く」で、吉峯さんがシェルパで雪を走っていますが、あのタイヤは確かMT21でした。そのとき、ストリートマジックを同時に走らせたのですが、下りは太いタイヤと低重心に助けられてすいすい走れるものの、ブロックパターンではないタイヤでは登りはまったく雪を噛んでくれず、非常に苦労しました。

 では、深い雪に強いのは何か?
 4WDの世界でも同じ、チェーンがやはり最強なのです。

 バイク用のタイヤチェーンは、いろいろと発売されています。ホンダやヤマハといったメーカーからもビジネスバイク用(ヤマハはオフ車にも使えるやつがあるようです)が出ています。
 オフロードバイクでは、一般的な4.60/18サイズのタイヤならば、165−13、あるいは175/70−13という自動車用サイズのチェーンが後輪に使えるという情報があります。

 ストリートマジックにもチェーンを付けてみようか・・・しかし、スクーターに無理矢理太いタイヤを履かせた構造で、金属チェーンのように横に張り出すものがうまく入りません。さらにベルト式オートマチックの駆動系で、重い金属チェーンは負担が大きい。
 それでは、とこういうものを用意してみました。

 そう、ゴムチェーンです。
 ストリートマジックのタイヤは120/90−12です。これに合致すると思われるのは、軽自動車サイズか?
 そう考えていたところ、群馬の成瀬さんから譲り受けることが出来ました。しばらく使用しないままだったのですが、やってみることにしましょう。

 まずは、ストマジの構造を少し観察してみます。
 後輪には、フェンダーが付いています。このフェンダーとタイヤのクリアランスは小さいのですが、これをはずすとエンジンに直接水/雪がかかります。ゴムチェーンは厚みがないので、フェンダーははずさなくても入りそうです。  スクーターは片持ちサスペンション。そして駆動系、ブレーキが一体なので、右側には邪魔者がありません。これは自動車と同じ構造になるので、取り付けには支障ありません。

 メインスタンドをたてて後輪を浮かせ、チェーンを後輪にかぶせます。このときに方向を間違えずに。右側でテンションを張る様に取り付けないといけません。

 まずは左側のフックを、続いて右側のフックを掛けます。左側を掛けたら、均等に右側に引っ張っていきます。

 付属のゴム輪でテンションを張ります。
 張り方としては対角線に徐々に一気に引っ張る方法が楽でしょう。隣り合ったものを順に掛けていく方法だと、半分を超えたあたりが結構力がいります。

 タイヤを手で回しながら、チェーンのずれをなおします。
 バイク用のタイヤは丸いので、ショルダーの角張った車用のタイヤに合わせたチェーンは長めになります。そのため、10インチ用のタイヤチェーンが120/90−18にぴったり合致する、ということになるのです。欲を言えば、ほんの少しゆるい気もしますが、ストマジのパワー程度ならまったく問題はないでしょう。

 これでうまく取り付いたのですが、一点問題があって走行できませんでした。
 ストマジはリヤブレーキケーブルが少し駆動ユニットより出っ張っているので、そこにチェーンの継ぎ目(左側の接続部が若干大きい)がひっかかります。タイヤを逆転させているときは擦っている程度なのですが、正転させると引っかかりを生じます。
 これは、少し加工が必要です。ちょっと簡単にはいかないようなので、後日検討としました。

 そんなわけで試走することが出来ませんでしたが、スクーターにゴムチェーン、てのは結構いけそうですよ。


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