廃村・大平宿

 大平宿は伊那谷にある城下町飯田と、中山道の宿場町妻籠を結ぶ大平街道は、中央アルプスを越える数少ない脇街道の一つで、飯田峠と大平峠の間にある山間の集落が大平宿です。
 昭和54年に集団離村で廃村となり、地元の雄志を中心に日本ナショナルトラストや市が協力しあい、一般に開放し、「いろり」が体験できる場所として売り出しています。

「大平宿を保存する会」が、飯田市の「アルススポーツ」というスポーツ用品店にあります。ここで予約をして鍵を借ります。宿泊使用料2000円のほかに、トラスト協力費として300円以上を納めるきまりになっています。

<古くは江戸時代から、大正時代の新しいものまで、10軒ほどはあるでしょうか。この週末はすべての家が使用されていました。
私たちのほかにも滋賀県からのオフロードバイク集団が利用していました。

こうして活気のあるときはいいですが、人がいないとちょっと・・・かも。

私たちが借りたのは、「藤屋」という屋号で、江戸時代の築によるものです。
とはいえ、昭和後期まで人の住んでいたものですから現代的に改造されている部分もあり、風呂やトイレもあります。

勝手場には薪炊きの釜、そして囲炉裏があります。
水道は沢の水ですが、飲用に適かは微妙なところでした。
電気はありますが、ガスはありません。
また廃村ですから店もありません。ただし、不定期に開店する食堂兼店舗が一軒ありました。薪等はここで調達できるようです。

はっきりいって、並のキャンプ場より不便ですが、雰囲気を味わう向きにはいいと思います。ここではなるべく築年数の古い家屋がいいと思います。

馬篭あたりと比べると宿場の違いがはっきりします。
主要道・中山道の著名な宿場、観光開発もされている馬篭と、脇街道に生活臭を残したまま主のいなくなった町の違いというか。


「江戸〜明治建築の家屋でいろりを囲む」

大平宿での目的はこれぐらいでしょうか。
町場で鍵を借りてから返すまで、干渉されることがありませんから、昔の生活そのものを体験できると思います。

飯田IC近くの乗馬クラブでは、この大平宿泊による乗馬ツアーがあります。
向かい側の家屋にそこの一団が泊まっていました。これもオツなもんだと思います。

ベストシーズンは5月のGW明けから6月、9月後半から10月だそうです。夏場は虫が多いのでさけた方がいいようです。
人が住まなくなって草は伸び放題ですから・・・

アクセスは、中央道飯田インターチェンジから国道153号線にでて、鳩打林道(ダート8km、オフ車必要、初心者でも通行可)がいちばん早い。遠回りになりますが、舗装でのルートもあります。
中津川側からのアクセスの方がわかりやすく、馬篭宿から国道256号線を来ると標識がでています。途中には温泉もありますから寄り道もよいでしょう。

大平宿をのこす会」電話0265−22−6914
長野県飯田市馬場町1−7 アルススポーツ内

文・写真 : 河村 格


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