第9話 遠路はるばる友は来たりて

空が近い林道です。

 日曜日の朝、いつものように掲示板を見た。
「現在ほぼ中間地点の日本坂PAです。このペースなら9時には着くかな。」
やっぱり来ているようだ。

 千葉から来る友人。行き先は「養老天命反転地」その他もろもろ。
 「養老天命反転地」なら我が家から1時間もかからない・・・が、男2人でうろうろするのもゾッとしないなあ(^^;;;

 「1時頃から現地入り」
と書き込んでゆっくり準備。さすがにタイヤ交換の時間はない。無理がかからないように、若干エア圧を落としてゆっくり走る。
 9月の声を聞いた途端、涼しくなったような気がする。それまであたりまえだったメッシュジャージにしても、朝夕の高速走行中はウインドブレーカーを併用するようになった。

 昔、ロード車に乗っていたころによく走った長野峠、青山高原周辺。オフ車に乗り換えてからはもっぱら笠取山の林道を好んで走っている。某誌の例のコーナーのために彼はここまでやってくる、いや、本当の目的は別にあるのだけれど。

 予定より早く着いたので、林道を1往復。笠取山へ登る高良城線はこのあたりでは有名な林道で、青山高原へ抜けることが出来る。天気の良い日は爽快な尾根道だ。
 大山田側はいくぶん舗装が延びてきているように思う。舗装が新しいように見える。そして、ここは地方道に昇格している。
 考えてみれば伊勢道・津ICから国道163号で長野峠を越え、高良城から青山高原へ抜け、国道165号線へ出て伊勢道・久居ICまで、というのは手軽な山岳コース。舗装化されればそれなりに交通量も増えるだろう。榊原温泉など温泉もいくつか抱える都市近郊の貴重な観光資源。



 予定の時間になっても彼は来ない。
 仕方がない。本当の目的地へ向かおう。

 それは、国道165号線青山峠、青山トンネルの出口、旧青山高原道路との分岐付近に居る。白/青のハイエース、パラソルが目印。
 この地で30年以上もの間屋台を開いているホットドッグ屋が居る。親に連れられて来た小学校時代に食べたことのあるホットドッグ。自分自身初めて食べてから30年近くたっている。
 5月号のツーリングでなんとなく寄ってから、あちこちで宣伝しているここのホットドッグ。自分自身は郷愁の味であるとともに、誰が食べても納得の味、と思う。

 これを食べに彼はやってくるのだった。

そして、遠来の友に合う・・・

 もうすぐ現地へ着く、というとき、前方からXR-bajaが来た・・・

 文・写真:河村 格


目次

inserted by FC2 system