Route421


ある日の昼下がり、「ちょっと林道へ行こうかな」と、出かけた。
なぜか2台のオフロードバイクを置いて、ストマジで・・・

目当ての林道は滋賀県にある茨川林道。ピストンだが、片道12kmはある、廃村へつづく林道。
この廃村茨川村の川原の集会場跡が昼寝にぴったりの場所なのである。

・・・工事中で通行止めだった(涙)
しかたないので、国道と平行する蓼畑萱尾林道へ入る。
・・・全線舗装になっていた(号泣)

君ケ畑でも走ろうか、とも思ったが、たぶんダートはないだろう。そのまま近江八幡まで行ってみることにした。
私の住む三重県桑名市を起点(あるいは終点)となる3ケタ国道がいくつかある。そのうち国道421号線は、県境の峠を越えて滋賀県近江八幡まで続く。





近江八幡市で国道8号線と交わる箇所が西側の起点になる。
近江鉄道のオレンジ色の電車を横目に、近江牛の看板を眺めながら、名神高速八日市インターをすぎればそこはすでに山の中。



愛知川の上流に永源寺という寺があり、紅葉の頃は身動きできないほど混む。しかし今は人影も少なく静か。400円なりの拝観料を払い、境内を歩く。特に得るものなし。





駐車場の土産物屋で牛蒡と蒟蒻の醤油漬けを買う。帰って一杯やろう。





永源寺ダムを過ぎると国道は酷道へと姿を変える。林道並みの道幅、つづら折れのブラインドカーブ。
道ばたに名水?があり、水を汲む登山者の姿。
「飲みますか?」
と進められたが、水に弱い私は軽く口に含んで味を確かめるのみ。甘みのある、いい水だと思う。私が飲んだら絶対腹を壊す(笑)

通行止めの茨川林道への分岐を過ぎ、いよいよ石榑峠へ。
わずか110ccのオートマチック、常にアクセルは全開。それでも時折メインスタンドを擦りながら軽快にカーブを駆け抜ける。

思えばオフロードに乗り換えて10年余り、こういう走り方はしなくなった。
滑り出しの早いオフロードタイヤへの警戒で、いつの時もリーンアウト気味になりつつあった自分の走り方。
リーンウイズで内肩から入り、カーブを円弧を描くように走る(最近のロードの走り方はよくわからないけど・・・)狭い峠道だけど、ストマジのスピードなら十分なワインディングロード。



眼前が開けて竜ヶ岳が姿を見せた。石榑峠に到達。
全開を続けたストマジを休ませ、少し散策。登山装備もなく、時間も夕刻が迫っている(そんな体力もない)のでほどなく出発。
三重県に戻ってきた。ここからの2kmほどがこの「酷道」421号線のハイライト。2ton車以上が通れないように大きなコンクリートが置かれた峠から、荒れたコンクリート舗装を慎重に下る。
すれ違うバイクからピースサイン。なんとなくうれしい。こっちはスクータですからね・・・普段こういうことはなくて。



宇賀渓を過ぎれば、街の風景になってくる。
桑名市に入り、東名阪をくぐれば我が家はすぐそこ。でもそのまま市街地まで行くことにする。近鉄の線路を渡って国道1号線へ交わる。東側の起点だ。

わずか60kmあまりの3ケタ国道。
近江八幡と桑名、国道1号線と8号線、近江鉄道と近畿日本鉄道(余談:近江鉄道も地元では”きんてつ”と呼ぶとか。ほんと?)を結ぶ国道一本走り抜け。

別に目的もなかったけれど、こういうのもたまにはいいかも。次はどの国道にしようかな???

写真・文 : 河村 格


目次

inserted by FC2 system