いまでこそ55/60Wのハロゲンヘッドライトが一般化してきたオフロードバイク。しかし、現代の4メーカー主力車種であるXR、TT、DR、KLXの初期の頃は、35Wクラスが主流でした。
レースからツーリングまで幅広く使えるオフ車ですが、どんな使用状態でも夜の走行機会が生じてきます。同じ車種でも海外への輸出仕様車は大型のヘッドライトが採用されている場合もあるので、交換することは難しくないはずです。
そんな初期のオフ車、ここでは95年型DR250Rのヘッドライトを大光量のものに交換してみました。
SUZUKIの場合、輸出用の標準型ヘッドライトがあります。輸出用を国内で入手することは可能ですが、以外とSBSなどでは入手しにくいという難点があります。
この輸出用標準型ヘッドライトは、国内仕様のSX125/200にも使われていましたので、それを使えば簡単に入手できます。SXは45/45Wという光量でしたが、普通のH4バルブ口金を使っているので高効率バルブ(H4RS)を使うことができます。
また実はDRとSXは共通のライトステーが使えます。しかし、3ツ又を分解する必要があり、簡単には出来ません。ここではお手軽に、ノーマルのステーにアダプタを介して取り付けてみました。
95〜96年型の標準仕様はライトカウルに直接ライト本体を取り付けてあります。カウルごと取り外してしまいましょう。
ステーのアダプタを作ります。ハンドリングに影響しますから、アルミ材がいいでしょう。
この形状は、配置してみて寸法を採り、そこから作図したものです。CADだから4点の位置を決めてから簡単に書けますが、これをアルミ板にけがくのは結構難しい。私はこの絵を切り抜いてアルミ板に貼り、そのまま鋸で切って細目サンダーで仕上げました。
重量があるガラスレンズなので、横から支えるだけでは振動に負けます。下部も支えるべくステーを追加しました。これは現物合わせで作った物をスケッチして作図したものです。
取り付けてみたところがこれです。配線はディスカウントショップで売っていたリレー配線を使いました。バッテリーから直接電源を取り、ボディアースは使っていません。
カウルを着けて完成ですが、そのままでは見た目が貧弱です。そこで、メーターバイザーというかゼッケンプレートというか、ノーマルに付属している物を加工して取り付けました。
取り付けがこの突起をはめるのとねじ一本のみですが、どちらも新しいカウルには加工が難しい。そこで削ってしまい、ネジ止めすることにしました。当初は両面テープでしたが、温度差ではずれてしまったのです。
さらに、ネジ止めの場合はこんなこともできます・・・
防風効果のほどはいまいちよくわからないのですがね(笑)
このライトユニットはもともと、ロード用のRGガンマシリーズから派生したものです。そのため、ハイビーム時のタテ方向はとにかく明るい。反面、横の広がりに欠けるきらいはあります。オフロード向きではないと思えますが、夜間の移動には必要十分な光量です。
使えるバルブは85Wまでがいいところと思います。発電容量は200W近いのですが、バッテリーが7Aですから、やはりその程度に抑えておくのがいいかと思います。明るくして電装系トラブルを起こすのも困りものですし・・・
解説 : 河村 格