ライディングウエアに一番適した素材とはなんだろうか?
いろいろな素材が開発されているが、現時点で最も優れていると思われる素材、それがGORETEXと言える。防水・透湿、防風に高い性能を持ち、悪条件での使用に耐える。
特に皮革製のものが使いにくいオフロードウエアの世界ではここ数年急速に発達してきた。もともと山用のウエアとして開発されたものから発展してきたので、ONよりOFFに似合うものでもあろうか。
ライダーの立場で開発されたウエアとして、MSRのものが有名だが、日本にもそういったライダー開発の逸品がある。
古のワークスライダー、吉村太一氏の手による「RSタイチ」のブレイズスペックシリーズがれだ。
「Blaze」・・・激しくて大きい炎・・・を名に持つ、激しいライディングに耐えられる最強の鎧である。
ゴアテックスの長所を挙げてみよう。1.防水性が高く、天気が急変してもまったく問題ない。
2.表地がソフトで、ゴワついたところがなく動きやすい。
3.真夏から真冬まで、インナーウエアの選定で対応できる透湿、防風性。
ただし、ゴアテックスにも限界はある。
1.防水は生地の裏にコーティングされたゴアテックスフィルムによるため、表地には水を含んでしまう。表面のフッ素コーティングの効き目が落ちるほど長時間の雨では、水を含んだ表地から体温によって蒸化された水分がゴアテックスフィルムを透過してしまう。もっとも、どちらも他の材質より数段優れているのだが、値段が高いだけに気になる向きもあるかもしれない。
2.擦れに弱い。ゴアテックスフィルムがゴムに近い風合いのため、ジャケット裏地はメッシュ素材などが使われる。これが、長期間の使用で擦れてゴアテックスフィルムの性能を劣化させる。さらに、表地も他の防水素材より擦れやすい。
このブレイズスペックジャケットと組み合わされるパンツもゴアテックスのものが存在する。
では99年型ブレイズスペックジャケット&パンツの各部を見てみよう。比較用に、96年型の同モデル(かなりくたびれているので、その点ご容赦願います)を用意した。
大きく変わったのはベルトで、バックルがなくなった。これは、ウエストバッグなどのバックルとの干渉に対応したものだ。ベルクロなので、しっかりしている。前あきは全面ベルクロになった。襟が大きく開くようになった。
これは96年型。ベルトはセンターバックル、前あきのベルクロは5cmほどのものが数個ついている。
襟元のベルクロは、本来一カ所で、外側のものは購入後追加したものである。冬場の使用を考慮した為。
但し、春・秋には本来の位置の方がよく、99年型は逆にこの位置に追加したほうがいいかもしれない。ポケットはボタン風であるが、実はベルクロ。
裏地はメッシュ。ストームガードは品質が良くなった。
エアーベントは背中がなくなった。サイドのみ。デイパック対応か。
96年型は背中が大きく開く。風の通りはよいが、走行中に開閉できない。
パンツのサイドはジャージ素材で柔軟性を持たせる。生地はジャケットと同じものになった。最近の服飾業界の流れで、サイズが整理された。96年型には31inchがラインアップされていたが、99年型にはない。32inchに統一された。膝はケブラーが使用されている。バイクのタンクが負ける・・・
パッド類は同様だ。膝カップが付属されるが、その分値下げしたほうが・・・
96パンツは表地素材が異なる。ペイントされたマーク類がはがれやすいのは×
デザイン、カラーは好みにより分かれるが、96年型の鮮やかなパープルが出来が良かったと思う。ネイビーは若干地味でなかろうか。
写真・解説 : 河村 格