早春の榛名山麓を走る。


あるとても暖かい日曜日、いつものように遅く起きた私は、

よく晴れた空を見上げてふと思った・・・・

「ちょっと出かけてみようかなぁ?」

時間はもうすぐ12時に差し掛かるから、あまり遠くには出られない。

が、そのとき目の前に榛名富士が見えた。

「そうだ、あそこならちょうどいい!」

こうして私は、榛名山麓をまわるコースを走ることにした。

バイクは、最近中古で買ったKDX125SR。

軽い旅にはもってこいの相棒だ。



そして私は、高崎市から水沢観音へと向かう。

水沢観音は榛名山麓のひとつ、相馬山の麓にある。

この相馬山はハイキングコースにもなっていて、

標高もそう高くはないが、

全面草木の生えておらず、かつ傾斜のきつい登山道は、

かつて修行道として用いられていたほどの、傾斜なのだ。

ここは関東八十八ヶ所巡りの札所でもあり、

また「水沢うどん」の発祥の地でもある。

沿線に数多くのうどん屋が存在している。

ここのうどんは、結構コシの強い麺だ。、


本堂で参拝を済ませた後、

社務所にあった「おみくじ」がふと目に入った。

「そういえば、去年は厄年だったなぁ・・・」

そんな事思いだして、1つ引いてみた。

で、「だ、大凶・・・・・。」

言葉を失いそうになった私は、

そのまま伊香保温泉へ向かった。


水沢観音のすぐ上は、全国的にも有名な伊香保温泉。

狭い路地に無数に入り組んだ階段の連なる

「石段の町」でもある。

私は町営の「石段の湯」に向かう。

記憶の限りでは実に3年ぶりの入浴になったが、

雰囲気は相変わらず「のほほ〜ん」としていた。

しばらくは、湯船の中に埋まるように入り、

十二分に体も心も温めて、

いよいよ榛名山へと向かうのだった。

休日の午後は、思ったよりも通行量が少ない。

時期的なこともあるのだろうが、

峠を登るまで、後ろに車がついてこない。

はじめは快適だった道路も、

高さが増すにつれ、残雪が現れる。

寒さも幾分増した。

峠に着いたとき、あたりは一面の雪景色だった。

路面の残雪に注意しながら、

ようやく榛名湖に到着。

湖上では、「わかさぎ釣り」がいたるところで行われていた。

私は、今まで凍りついた湖に

足を踏み入れたことがないので、

遊び半分で行ってみた。

氷は暖かさが影響して、シャーベットみたい。

私としては、結構怖い思いだったが、

周囲はそんな私をものともせず、釣りにいそしんでいた。

「来年は釣りにでも来るか」などと思いながら、

榛名湖を後にして、高崎へ戻っていった。

こうして、半日の短い散策を終えた。

まだまだ春の遠い榛名山麓も、やがて春の訪れを向かえる。

さつきの花が咲くころ、再び訪れてみようかと思う。

文・写真 : 山本賢史


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