File73 アルミな話

 バイクの部品も人気車種はいろいろ手に入るけど、不人気車、特に絶版車は難しいですよね。
 でもってそんな場合は、他車種流用かさもなくば「作る」という手になるわけです。



 最近、必要あって作ったのがこれ。

 何かというとブレーキレバーのスイッチを押すものです。ブレーキランプを点灯させるためにマイクロスイッチが付いていることが多いですが、社外レバーに変えた際に部品を無くしたので、油圧センサで対応していたのが私の車両。ところが最近スイッチの感度が落ちて点かなかったり点きっぱなしになったり・・・こりゃまずいとマイクロスイッチ復活。
 そのためには押す部品が必要で、それを製作したわけですが、やはり軽いに越したことはないからアルミ。

 この部品の大きさは7ミリ角でネジはM3。これぐらいの寸法にヘリサートを入れるのは何なので、強度の高い材料が良かろうと、A7075を選択しています。
 強度的にはアルミでも高位にあり、鉄に匹敵する(数値は面倒なので割愛w)とも言わます。軽さを必要とする強度部材ならこの材料一択な今日この頃。
 ただし高価な部類になるのでそうそう常に使用するものでもないのですが。溶接も難ありだし、加工するにも硬いので面倒だし。



 機械系で普通に使うアルミとしてはA5052ですかね?

 マグネシウムなどをまぜた合金で溶接や切削など加工の許容が広いので使いやすい。表面が柔らかいので傷が付きやすいけどアルマイト加工もしやすいので高い強度を求めなければこれを選択しています。
 ピッチの細かいねじなどは舐めてしまいやすいのでヘリサートは必須・・・なのですが、大きいピッチで引っ張り加重がかからなければそのまま行ってもいいかなあなんてときもありますね。この部品はそういう条件をとりあえず考慮してあるのと、滅多に乗らないミニモト用ということで入手しやすく加工しやすいA5052で作ってあります。
 これが大きいバイク用だったらもう少し強い材料使ったと思う。必要な根拠はないけども。売り物じゃない自分用だから。



 アルミの中で、ジュラルミンと呼ばれるものがあります。

 A2017がそれ。ドイツのデューレンという地域で考案されたアルミ合金なのででゅーれんあるみ・・・デュラルミン・・・日本読みでジュラルミン。銅が混ざっています。飛行機の部材として有名ですね。
 破断強度が高いので強度部材に使われることが多い。ちなみに上記A7075は超々ジュラルミンと呼ばれており、これも銅混ざり。ここが少々難点で、銅が混ざると耐食性が落ちるようで水に弱いとされる。
 おっと、バイク用には使えないじゃん・・・というところですがクリアー塗装あたりで延命しましょうか。

 A2017で作ったこの部品、実は試作品で本当はデザインを変えてA7075化する予定でした。強度が高い方が良いでしょ。これも根拠はないけども。



 柔らかいアルミは素材から削って作るのが簡単。だけど最初からL型や□型になっていれば削る手間が省ける。
 そんな成形材としてA6063があります。

 ある意味一番入手しやすい材料かも知れない。普通にホームセンターなどで売っているアングル材などがそれです。強度はアルミのそれですが、耐食性や表面処理性が良いのが特徴。
 アルミの純度が高いほど柔らかく、耐食性が高い。混ざり物が多いとその材料の特性が加味されますね。たとえば比重(単位体積当たりの重さ)にしてもアルミが2.7前後、ジュラルミンが2.8前後。鉄が7.8前後で1/3ぐらいですから大して差は無いか。

 趣味のものであるバイクにはちょっと高価な材料を使うのも良いでしょ、てことで。

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