第60話 ラスト・シーン

 昨年の冬にもどうのこうのと言ってたわけだが。
 いわゆる某誌(まだこの表現て通じるのか?)が復活する可能性が限りなく低くなっている。



 何が良かったって、こうして遠くまで来るきっかけになっていたことだろう。
 自分の思いつくところへ行く場合は、あくまで思いつくところでしかない。提示された場所へ行くのは自分では思いつかなかったところであることが多くあった。それは行き先の幅が広がることにつながっていた。

 思いつかなかったところへ行く。それが楽しみになって次の行き先を待ち焦がれる。
 もっといろいろなところへ行きたくて、行動範囲をどんどん広げていく。
 そのための時間を作る努力を日頃からするようにもなる。仕事や家庭の事情のバランスをとるなどの努力を。

 たとえば、遠くへ行くのに家族を伴っていくなどの手段も使った。



 そのためには自動車にバイクを積んで・・・などとしていたわけで。
 そりゃ走るには大きいバイクがいいけどね。そのための大きい車ではいろいろと問題もあるわけ。その問題を解消するのとは別の解決法を取ったらバイクが小さくなったわけ。

 もう一度言うけど、走るには大きい方が良かった。

 だから、目的がなくなると小さいバイクに乗らなくる。
 大きいのに乗る機会すら少なくなる・・・いや、その時間を作る努力を怠るようになっていく・・・中で、日常ではないところで小さいバイクを使う選択がなくなっていく。

 2010年の6月6日だったろうか。
 この日を最後に、エンジンに火を入れていない。

 また行くことになるという希望も持っていた。
 しかし今となっては。

 かつての自分のポイントすら忘れた。

 たとえ状況が変わって復活することがあっても、以前の様にはもどらない。だろう。



 これがラストシーンになった。

 年度末に間に合えば、ナンバーを返納しようと思う・・・

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