第三十三回 BMW F650GS

 日本メーカーはビッグオフが少なくなってしまいましたね。まあ走るところもないのですけど。
 ただライディングポジションとかが楽なビッグオフは長距離が楽なのですよ。

 海外メーカーはその点、ビッグオフ(と呼べるかどうかは微妙ながら)がいろいろあります。
 そんな中、BMWのF650GSに乗ってみました。

 ここでも以前からF650ファンデューロやF650GSが登場しています。BMWの中では異端児であるFシリーズ。近年はBMWも普通のバイクになってきてしまい、Fシリーズも普通のラインアップに見えてきました。

 そんなF650の最新型です。



 「F650」とありますが、実は排気量は800ccです。
 さらに同じ車体に21インチのタイヤと倒立サスペンションなどを持つ車両がF800GSとして存在します。F800シリーズは85馬力あるものを、71馬力にデチューンしたものがF650GSの様で。
 いや、馬力下げただけじゃなく排気量小さくしなきゃ意味ないのでは・・・



 で、そのエンジン。
 以前のF650GS(F650ファンデューロも)は単気筒のエンジンでした。しかしこの800ccエンジンは2気筒になっています。排気量を合わせて出力はかなり大きくなりましたが、重くもなりました。重心が高くなって不安定になった感覚がまたがったときにあります。



 今時あたりまえですが、燃料噴射。これは単気筒GSからですね。



 2気筒ですからエキパイも2本出し。エンジンガードは純正ではない様子?



 少々驚かされるのがこの巨大なサイレンサー。なにやら社外品の様な迫力がありますが、これ純正です。
 エキパイとの間にはコブの様な膨張箇所もあり、特性向上を狙ったのか。



 Fシリーズですからもちろんチェーン駆動です。
 ただし、右側チェーンは伝統。



 となればもちろんリヤブレーキは左側。そしてキャリパーはブレンボが使われています。
 ディスクに切られたスリットから、ABSであることもわかりますね。これはフロントも同様。



 タイヤは19インチ/17インチ。
 ビッグオフには19の方が良いように感じます。F800GSは21インチになりますが、あの倒立サスで19インチ仕様はできないものか・・・



 燃料計も備える多機能メーター。いろいろと機能がありますが、レンタルで乗っている限りでは使いこなせません。
 しかしメーターの240km/hフルスケールって・・・



 BMWの伝統で、ウインカーは左右別のスイッチ。ただしキャンセルは右だけにあります。このあたりの思想がよくわからない。ファンデューロはごく普通でしたが・・・あれはイタ車か・・・
 何かいろいろスイッチがありますが、使い勝手はいまひとつ。



 ハンドルガードもオプションかな。



 ガソリンタンクはここです。
 燃費は結構よくて25km/リッターぐらい。ほぼ新車レベルの走行距離だったことや排気量などを考えればかなり走る方ではないでしょうか。ガソリンはハイオクですけども。



 さて、BMWのシートは良いものだと言う刷り込みがあったわけですが。
 このシートはあまりよくない。8時間300km程度走っただけですが、尻が痛くなります。薄いことより形状が悪いかな。



 ライト周りは最近のGSと共通のデザイン。今回は夜間走行していないので明るさは不明。



 さて、走ってみます。
 高速道路では普通の速度で走っている限り余裕があります。どれぐらい出るものかは興味深い。
 スクリーンが小さいのであまり効果はありません。これはF800の大型に変えたいところ。



 峠道はどうでしょう。
 相変わらずよく寝る感覚です。ただ、ギヤが感触でどこに入っているかわかりにくかったので慣れないと走りにくい。低速がないのはかつてのF650と同様の感触を持ちました。



 街乗りは、これまた相変わらず熱を持つのが早い。すぐにファンが回ります。出足は単気筒のFには劣りますね。



 一応GSですから、ダートも走ってみましょう。
 タイヤがロード重視なので不利ですが、登りなら問題は少ない。
 ただ、下りは結構緊張します。ギヤ比も高くてエンジンブレーキが効かない感じ・・・ファンデューロもでしたが・・・なのと、低回転での粘りはないのでエンジンを止めてしまうと大変。
 これは、重くなった車体が影響しているように思います。装備重量で20kg以上単気筒より重いので不利かな。



 さて、最後にスタイルを眺めてみましょうか。
 なんとなく、カタナに似てません?

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