青崩を越えると静岡県から長野県に変わる。
 「三遠南信」と言うのは「三河・遠州・南信州」を指すので、その中での地域の呼び名も「遠州」から「南信」に変わる。



 「三遠南信」「秋葉道」「塩の道」などと名前は付くが、実際問題として通常の交流がどこまで・・・というのが長きにわたって境界の道路が弱かった原因ではないだろうか。
 県境などのからむ峠ではどこでもあることだ。だから道路は国道と名が付く区間も狭く通りは少ない。

 もう一つの呼び名として「遠山郷」というものがある。
 遠山川という川を中心として栄えた地域で、伊那谷では数少ない温泉があったり、南アルプスに入っていくことになる観光地として、日本の秘境100選にも選ばれている。



 過去には林業も盛んに行われていた様で、森林鉄道も走っていた。
 今ではどこの森林鉄道も林業の衰退で廃止されていった。20〜30年ほども存在していただろうか。



 それを観光のネタにしようとする動きもある。剥がしてしまったレールを再建するのは難しく、往時のような路線を望むことは出来ない。このわずかな広場に動態保存レベルで走らせたい、というレベルの話だ。
 古いレールを集めて置いているが、実際これで走らせるとも思えないところだ。機関車と客車はこのあともう一箇所で見つけることが出来たが、現在は静態保存で展示だけ。



 秘境・遠山郷の中でもとびっきりの秘境がある。
 「日本のチロル」「天空の里」などと呼ばれる下栗の里へ分け入る。遠山川から急激に立ち上がる山の急斜面に張り付く山里の村だ。



 昨年のことであるが、引っ越し業者のコマーシャルに使われたのはここから撮影されたものと言う。
 山の中を少し歩くことになるが、一見の価値はあると言う。



 「オートバイ・自転車の進入を禁止」とある。
 如何なことここを走ることは・・・と思うのだけど。

 どうも進入する人は居るようで、誰かの武勇伝を話す人も。本当かどうかはわからないが・・・



 そしてこれがCMと同じ風景。まさに天空の里、まさに日本のチロル。

 本物のチロルを知らないけどね。



 下栗を後にする。
 ただし下界に降りるわけではなく、さらに高いところへ。



 南アルプスを眺めながら走れる気持ちの良い高原道路、エコーラインを行く。ここもかつては上質なダートが続いていたものだ。



 しらびそ高原へと進むにつれて空が近くなる。



 ハイランドしらびそは峠のすぐ近く。高原でも一番高いところ。
 だからいつでもバイクで賑わっている。



 峠を下りた。
 しかしそこはまた境界の峠。

 地蔵峠もまた国道が途切れてるところで、ここも林道によって結ばれている。蛇洞林道がそれなのだが。



 ほどなく地蔵峠。

 「林道」の幟が揺れる向こうに、見慣れたおにぎり標識が見える。



 地蔵峠の由来はこの地蔵か。

 峠の南側は林道。峠の北側は国道。

 ここを降りれば大鹿村。
 そして大鹿村といえば・・・



 今を去ること10年以上前。まだBACKtoOFFroadの始まる前のこと。

 鳥ヶ池キャンプ場で開いた「裏林道祭り」
 休刊となっている某誌の「林道祭り」が、ネット業者のイベントとタイアップしたことに反旗を・・・などという過去のこと。

 それが始まりってやつかな。

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