秋葉道

 今年はいろいろあってねえ・・・

 そう、いろいろあって夏の時期は休日が変わる業界があり、御陰様で我々は休めなくなったのだった。なのでお出かけなんぞしている時間がない。
 バイクも充電してタイヤに空気入れては休みが取れずに放置、を繰り返すこと数回。週末の休日出勤にすら乗ってないよ。



 唐突だが。

 天竜川である。
 その流れは急で・・・ってこれはダムの放流だが・・・川下り船が多く営業しているのだけれど、つい先日(要は8月、盆明け頃よ)事故があったばかりで今後どうなるのかはわからない。

 ここまでのルートはスパッと割愛しよう。ただ走ってただけだから。



 で、天竜といえば。

 秋葉の山を走り抜ける「天竜スーパー林道」がその名を馳せる。もっとも、早くから舗装化が進んでいて、そうだなあ、25年ぐらい前に通ったかな?そのときもあまりダートは残っていなかったけれども。それだけに今は推して知るべし、だが。

 それでも一応ルートに入れてみるってもんだろう。



 50kmを越えるスーパー林道だが、今の行政区では全て浜松市天竜区ということに。今や水窪までが天竜区なのであるから恐ろしい。なんだか土地勘という物がなくなりそうな今日この頃である。



 ま、予想通りではあるが、本線にはダートなんてまったくない。ダートの支線はいくつかあるものの、どの程度の物かは不明。もとより期待はしていないが、林道という名前に反応して来ているということもあるだけに寂しい現実。



 秋葉の山、と言うのはここ秋葉神社のこと。上社と下社があるがここは上社である。全国にある秋葉神社の本家みたいなもんだ。火の神様であるが、火事で焼けたという過去を持つ。



 ちょっと歩いて参拝を・・・
 ブーツで歩くもんじゃないな・・・



 む、やはり地元バイク業界からも奉納。



 参拝を終えて林道を進んでいく。
 秋葉道・塩の道、とある。

 「塩の道」とは、太平洋・相良から秋葉を越えて塩尻へ向かい、さらに白馬を越えて糸魚川へ至る壮大なルートを指す。塩を山へ運んだ、と解釈すればよいか。古来から往来も多かったのだろう。茶店の跡が残っている。
 「秋葉道」とは、秋葉神社への参拝道という。いくつかの参拝ルートがあるとされており、今走るスーパー林道がそのルートをたどっているのかは知らないが。



 少々ガスがかかってきた。山の上を走っているが基本あまり展望がない。ところどころ開けた場所もあり、晴れていれば海が望める様だ。



 すでに舗装化されてはいるものの分類は林道。案外通行量があるだけに事故には気をつけよう。



 山住峠にたどり着く。スーパー林道の中でも大きな分岐点になる。
 ここを境に天竜側と水窪側といったような区別をしていたものだ。



 オフロードバイクが描かれた看板は、過去にここがダートであったことを示しているようなもの。
 しかし今日この道でオフロードバイクには出会うことがなかった。

 完全に舗装化された狭い峠道、ダート用のバイクが必要でも無し。走る大義名分もなくなった「林道」にはオフローダーが集まることもなくなった。



 山住神社は和銅二年というから平城京より前からの歴史を持つ。
 境内には1300年余りと推定される大杉が立つ。



 神社前に食事の出来る店がある。囲炉裏端で川魚などを。



 ここから先の水窪区間は通行止めとなっていた。
 理由は崖崩れ。舗装しようがダートだろうが、林道は自然の生き物である。



 山住峠から下りると水窪で、林道経由とあまり変わらないあたりへ出る。
 ここからがこのルートのややこしいところで。

 「酷道一直線」ではないが、今居る場所は国道152号線。ところがこの道は峠で途切れている箇所がある。
 その一つが青崩峠で、国道152号線は峠を越えること、あるいはトンネルで抜けることをあきらめてしまった。
 とは言え、近くに迂回する峠はあったわけで、さらに今ではトンネルで抜けることも出来る。それでもそれが国道152号線ではないというのがミソだ。

 トンネルは「三遠南信道」として作られている。となれば整備に金がかかるので有料道路として作ったかというと、実は無料である。昨今流行の高速無料化の産物でもなく、その前の時代からだったかと。
 さらにややこしいのは、その「三遠南信道」に新たに国道番号を付けたことだ。



 そうなると青崩峠はどうなの?となる。
 どこが国道152号線かよくわからないけれど、「青崩峠」とかかれた方向へ行ってみる。



 ふむ、林道として峠方面へ行けるようだね・・・



 しかし残念ながら、ダートになるところで通行止め。歩いてみても100mもいかない地点が崩れていた。崩れ方からみても復旧には時間がかかるだろう。
 後で地図を見てみると結構峠付近まで続いている様で、あるいは青崩峠にたどり着くことは出来たのかも知れない。今後復旧するのかは微妙だけど。



 迂回していたのも過去は林道だった。兵越林道と呼ばれていたのは兵越峠を越えるから。今は市道扱いで公道となった様だけれど、国道迂回ルートとしての重責を考えれば市道ってのもどうなんだろうと。



 「R152全面通行止め」

 それ以前に元々通れんじゃないかと・・・

訳あって後編へ

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