File67 残せるのか

 バイクの旅の中にフェリーを組み込む。
 長距離移動の手段によく使ったものです。長距離ではなくても、湾をぐるっと回るような地ならば船で渡ってしまえ・・・とか。
 伊豆や房総もそうした目的ですし、ここ伊勢湾口にもそれがあるのです。



 渥美半島のほぼ先端、伊良湖岬からフェリーが出ています。志摩半島の鳥羽へ向かう「伊勢湾フェリー」がそれです。



 この伊勢湾フェリーは、廃止が発表されました。

 かつては伊勢参りなどで賑わったフェリーも、高速道路の発達などで客足が減っていたようです。車一台で数人乗って移動する場合、フェリーを使うと乗船料金も嵩みますし。
 そうした料金面を見ても、バイクに取っては今でも有用な交通機関であるのは確か。



 かつては渥美半島、知多半島、志摩半島を三角形に結ぶフェリー航路がありました。
 おかしくなったのは、中部国際空港の開港によって、鳥羽〜師崎航路を鳥羽〜常滑に変更した頃からかも知れません。短期間のうちに同航路は廃止になり、三角形は崩れました。

 2010年5月現在も運行本数は以前とさほど変わっていないように見えます。デイタイムのみの輸送です。それでも往年は正月などに増便、夜間便もあったはずですが、今はどうでしょうか。



 伊良湖側は洒落た建物で土産物や食事処も豊富。
 鳥羽側は鳥羽水族館に直結するなど、いずれもフェリーのターミナルとしては比較的開けた方です。

 国道の連絡という一面もあるにせよ、観光が最重要項目であったためでしょう。国道フェリーや海峡連絡フェリーは運送に特化したところが多く機能的に感じられますが、ここはもう少し良い意味の無駄を持っている様に見えます。



 観光を目的にするのならば、その恩恵を受ける街が「ハイそうですか」と言うわけにはいかないというもの。なんとか航路を残せないかと街を上げて活動を始めました。

 渥美半島側では田原市、志摩半島側では鳥羽市を中心に、フェリー航路存続の署名活動が行われました。
 2010年7月12日、鳥羽市長から三重県知事に提出された署名は12万人分。
 不肖私も鳥羽市の署名の一つに、加えてもらいました。

 さて、伊勢湾フェリーは残せるのでしょうか・・・

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