小さい宿ながら清潔に保たれた温泉で朝風呂を浴びて出発する。
時間が早いが山の温泉は開いており、長時間滞在の許可をとって一人車を走らせる。
かつてはこのあたりも走れる林道が多く、オフローダーがたむろしていたもの。
そろそろダート、というあたりで広場を見つけてバイクの準備。
昔のように分解したり組み立てる必要がないので気軽に持ち運べる。
林道、というが扱いは県道。やや荒れたところもあるが、おおむね良好な路面。
雪に閉ざされたりしない伊豆は路面が安定している。タイヤの小さいミニモトにはありがたい。
すれ違った赤い小型バイク・・・おっとお知り合い。
結局こうして誰かに会えることを期待していつもこの企画に参加しているんだ。
そしてそれがバイクに乗り続ける理由にもなっている。
俺は東へ、彼は西へ。
それぞれ無理せずに走ろう、と。
伊豆の山は深い。暖かい地だから、12月半ばと言うのにまだ紅葉が残っている。
何せ気温が20度に達しようと言うのだから・・・
この道がダートながら走れる数少ない道なのは、ワサビ田が広がる地で農家の通路となっているからだ。それだけに通行量も多いから飛ばしすぎには注意が必要だけど。
ワサビが作られるということは水がきれいと言うことだ。伊豆の山にはそんな自然がある。
銀杏の黄色い絨毯が広がっていた。
林道で目にすることが少ない光景。
さて、そろそろ戻らなければ。予定の時間を回っている。
汚れたバイクを洗わなければならないのが普通のトランポより制限されるところだな。
大沢温泉へ戻ってひと風呂。
露天オンリーで化粧の湯と呼ばれる良いお湯。
温泉で教えてもらった石部の港へ。一見して食事が出来るようには見えない。
そればかりか「ギャラリー」などとあるし。
だが、ここは網元が経営する趣味の店。だからメニューがいろいろあるわけではなく、うどんと丼の2品だけ。
今日の丼はメジナを主にアジや太刀魚など。新鮮すぎて今ひとつおいしくないのだとか・・・なんというぜいたくな話。
さて、伊豆もそろそろ後にする時間。
冬の旅だから車で。
冬の旅だから伊豆へ。
冬の旅だから、二人で。
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