其の十 利根川の渡し船
関東を貫く大河、利根川。
河川改修が行われた際に、それまでの町が分断された所があります。
群馬県伊勢崎市がそのひとつで、近くに橋が無く、歩いて往来することが非常に困難。そこで渡船を利用することになります。
利根川の川原はとても広いため、歩いていてはなかなか水辺に届きません。バイクでも少々走ることになります。
それが、ここ島村渡船です。
境島村へ結ぶ県道の代替えとして運行されているものです。
利根川には他にも渡船が3カ所ある様です。
ただし、この渡船は歩行者専用で車両は乗れません。バイクや車を置くスペースは十分にありますが、それらを利用するなら遠回りをして橋を渡るというものです。あくまで歩行者の便を図ったものですから。
先に詰め所に声をかけると、船頭さんが菅笠でやってきます。
実はこの頃、川底に砂利が堆積して向こう岸まで渡れなくなってしまっていました。
それでも観光用として渡船は走らせていました。
本来、住民を往来させるためのものである渡船。
それが渡れなくなってしまっているということ。
なのにそれが運行されていることとは?
この渡船、料金は無料です。
群馬県が住民のために伊勢崎市に委託して運行しているものですから。
それが住民ではなく、観光客のために運行しているということは?
観光も県や市にとっては大切なことです。
我々も乗せていただくことにしました。
観光用には料金を取っていただければもっと気軽に乗れるのですけどね。
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