File65 1000円、そして無料化

 高速道路にETC割引が設定されてしばらく経ちます。

 たとえば通勤時間帯割引はETC使用の場合のみ半額になります。ただしそれは100kmまでと制限されており、これまでは100kmを越えてしまうと半額の扱いがなくなり全行程で全額支払いとなっていましたが、2009年7月からは100kmを越えても(100kmまでの区間の半額+100kmを越えた区間の全額)という扱いになりました。これは料金所でのUターンを考慮したものでしょう。

 そして2009年3月末より、土・日・休日の高速1000円上限が始まりました。
 これもETC利用に限られています。また適用される区間は首都圏や京阪神を除く旧道路公団系となっているため、除外区間の通行料金は別途全額加算されます。
 この料金システムにより、たとえば中部地方から青森まで1000円での通行が可能になったわけです。

 で、だ。

 上限1000円化された休日にはどうなるのかと。



 こうなるわけですね。

 もともと交通量の多い集合地点では滞りがちだったものが、どうしようもない渋滞をまねくことになりました。
 この状況ではバイクでさえ走れない。もちろん路肩通行などもってのほかですから。

 今施行されている1000円上限は、2年間の期限付きでの社会実験です。2011年3月までということになりますか。

 そこへ、政権交代が起こりました。

 新政権を担うことになった民主党のマニフェストの項目30番に、
「高速道路を原則無料化して、地域経済の活性化を図る」
という記載があります。これが今話題の高速道路無料化の元ネタです。

 高速道路が無料化されたら今の状況はどう変わるのだろう?
 1000円上限以前と現在の渋滞状況を鑑みると、自ずと判る気もします。

 但し。

 現在でも、無料の高速道路(「高速道路」とは謳っていないかも知れない)はいくつか存在します。北海道の一部や三遠南信道などがそれにあたります。
 国道が無料で維持していけるのだから、高速道路が無料でも維持していけるのでしょう。条件は同じとは言いませんが、理屈上は。その維持費がどこから出るのか・・・とかは言うまでもないでしょうけど。

 高速道路は「時間を金で買う」というのが利用価値だと思っています。金をかけたくないときは下道を走れば良い。高速道路は金を出して目的地まで早く着く。そういう用途であって欲しいと思っています。
 今1000円渋滞でその目的を達しにくくなっていることを考えると・・・

目次

inserted by FC2 system