日本ロマンチック街道
「ロマンチック街道」は、ドイツ中部の古都ヴュルツブルクから南へおよそ350キロ、アルプスの麓町フュッセンまでを南北に走る。歴史の薫り漂う古城や赤い瓦屋根の町並など、すばらしい伝統と文化。そして、豊かな自然にかこまれたヨーロッパ観光の名所です。
そのロマンチック街道にあやかって、「日本ロマンチック街道」が企画されました。
栃木県宇都宮市から長野県上田市までを結ぶ山岳観光ルートです。
近年は餃子の町として知られるようになった宇都宮から、日光東照宮へ。軽くお参りを済ませたら、あの「いろは坂」へ挑みます。
いろは坂は第一・第二の2本がそれぞれ一方通行となっています。
「いろは坂」の語源は、イロハニホヘト・・・と48文字を数えながらヘアピンカーブをクリアしていくもの。急峻な坂道を上るため、道は車線規制されています。
バイクは左側で車は右側。しかし左側はバスやタクシーと混走になるため、バスの動き出す時間にはとても走りにくいものとなるでしょう。早朝など通行量の少ない時間は逆にとても快適で、車を左側からどんどん抜いて行くことが出来ます。
いろは坂を上りきれば中善寺湖畔に到着。
猿が土産物店を襲うことで有名です。そういえば日光は「見ざる言わざる聞かざる」でしたね。
ここは日本3名爆のひとつ、華厳の滝に寄ります。
十数年前に崩落して昔日の落差は無くなりましたが、今もその豪快さは変わりません。
中禅寺湖の湖畔をゆっくりと流す。その水は澄んで美しく輝く。
戦場ヶ原の荒涼たる光景は夏場にこそ清々しさが際だつ。
バイクを降り、ゆっくりとすごしたいところ。
日本ロマンチック街道はここから峠を越えて上州へ抜けます。
金精峠は豪快な峠道。
群馬県は日本海から吹く風が谷川岳をこえて乾燥した強い風となる。それが群馬の空っ風。
だからこそ群馬の雪は細かく軽い。日本一軽い雪のスキー場は?と訪ねられれば、迷うことなく丸沼高原を指名するでしょう。
片品村は「高原」といえばここ、尾瀬の入り口。
さて、宇都宮を出てからしばらく山間を通り抜けてきた日本ロマンチック街道は、沼田の市街で関越道とクロスする。
わずかばかりの街をすぎれば、また山間の細道を行く
沼田を出てしばらくすると、ロックハート城にたどり着く。
大理石村が93年にロックハート家から譲り受けたものです。本家ロマンチック街道のノイシュバンシュタイン城などから見ればささやかなものですが。
ここでは結婚式なども行うことが出来ます。ロールスロイスはあのダイアナ妃が使用したもの。
ロマンチック街道として登録している道路では一番雰囲気がいいと思われるのは国道145号線の鹿沢地区。
川原湯温泉はダム工事が行われており、いずれ湖底に沈む運命にある。
その前に一度行っておきたいところ。
鹿沢の町は渋滞になりやすい。草津や万座、軽井沢といった有名観光地の中間にあることがその主なもので、季節を問わず多くの観光客が訪れるところだ。
ここでは万座ハイウエイ、鬼押しハイウエイといった観光有料道路を通るのがよい。
鬼押し出し園は浅間山の噴石が積もったもの。これを観光地化してしまうとは・・・
雄大な浅間山を横に見て。
快適、というのはこういうことを言う。
日本ロマンチック街道はやがて軽井沢の街に出る。
夏の賑わいばかりが取りざたされる有名な避暑地だが、すこし季節をはずしてゆっくり尋ねたい場所ではある。
軽井沢から小諸、上田へは幹線国道18号線を行くため、淡々と過ぎ去ってしまう感がぬぐえない。
「日本ロマンチック街道」の標記も少なくなるが、ところどころにこうして標識が立つ。
今ひとつそれぞれの売りが発揮されていないと思える日本ロマンチック街道沿線の町村。もちろんそれぞれに進めていることもあるのだろうが、街道、としてある場合、通り過ぎる間にそこに立ち止まらせる何かを見つけたいのが旅人。
「日本ロマンチック街道」そのもの、新しいものではありませんから、地道に自治体が盛り上げていくことが発展につながるのかもしれません。
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