File37 環境破壊

 乗鞍スカイラインが有料道路としての営業を止めることになったが、無料開放されずに通行を制限するものとなりました。
 その理由は、環境に配慮したものということです。



 閉鎖を半月後に控えた連休の週末、エコーライン側も長い渋滞にありました。
 交錯できないところへ両側から強引に突っ込んで動けなくなった車で道路は完全に停滞していました。
 バイクですら通過できない有様です。



 山頂駐車場は、バイクでもこの有様・・・
 すでに達観したような駐車場の交通整理担当は、バイクには寛大でした。



 上りの車線はこの様に数珠繋ぎのまま完全に停滞してしまっています。なにぶん駐車場が満杯でしかも両側から車が押し寄せている状況、そして一度上がった客はなかなか帰らない・・・そんな状態ではまったく動かないのです。



 7km渋滞・10時間待ちという表記からもその尋常でない状況はわかりますが、それでも車は続々と入っていく。バイクならまだしも。時間は既に午後1時、何をどうあがいても6時の閉門に間に合うわけがありません。
 春秋は涼しくエンジンを止めて待つのもありですが、いかに標高が高いと言えども、真夏は鉄の箱の中でエアコンかけずに過ごせる人ばかりではなかったはず。
 7kmも連なった車がすべてエンジンかけてエアコン使用していたとしたら、それはさすがにすごい排気ガスでしょう。

 皮肉ながら、環境のために変わろうとした2002年は、この界隈にとってもっとも環境破壊活動が進む年になったことでしょう。

 まあそれは極端な見方になりますが、今後のことです。
 マイカーは通行を禁止されますが、11人乗り以上のバスであれば通れる様です。

 バスともなると、そのほとんどが巨大なディーゼルエンジンを搭載しています。そういった車両だけを、環境保全のために一般車両の通行を禁止した道路に走らせるというのもおかしな話です。
 しかしながら、問題はマイカーの出す排気ガスが主目的ではないようです。


 来年5月の春山開通から、「乗鞍環境保全税」が導入されます。
 それは、マイカー締め出し後通行する、バスやタクシーから徴収します。有料営業を終了するため通行料金ではなく、山頂駐車場の駐車料金としての徴収と言うことです。それによって年間3000万円を生み出そうというものです。

 乗鞍畳平には雷鳥の生息のほか、クロユリやチングルマなど貴重な高山植物も自生しています。現在も散策路としてお花畑コースがあるわけですが、そのルートをはずれて花を踏み荒らす観光客が何より環境を壊す存在になっている、と分析されています。

 そうした観光客は、観光バスの通行を許す以上、大幅に減ることは考えにくいでしょう。
 今般のマイカー締め出しだけで環境保全が成されるのか?


 何年か経って、また訪れてみたいものです。
 残念ながらそのときはバスに乗って、ということになるのが決まってしまったわけですが・・・

目次

inserted by FC2 system