ということで、チェーンを実際に交換しましょう。
通常日本製のオフロードバイクなら、チェーンは左側ですしセンタースタンドも無いものがほとんどですが、この車両(BMW F650)は右側にチェーンラインがあり、センタースタンドも装備しているので作業性はかなり楽になります。
まずは古いチェーンの撤去です。
「かしまる君」を切断状態に組み立て、適当なリンクを切ります。この際、スイングアーム下のフリーな部分で切るのが楽です。作業しやすいと言うのもありますが、切れた後にも落ちていったりしにくいことがその理由です。
ピンがこのように反対側に抜けたら、チェーンはエンドレス状態が解かれます。
この切れたチェーンは、そのままで抜いてしまってはいけません。
切れた古いチェーンに、新しいチェーンを仮でつなぎます。
継ぎ手リンクでつないでもかまいません。ここではタイラップでつないでいますが、これはチェーンが曲がった方が入れやすかったということだけです。
切れた反対側(タイヤ側)をひっぱれば、新しいチェーンはエンジン側スプロケットを経由して再び姿を見せます。この際、タイヤ側スプロケットに3山以上かかったところまでは引っ張っておきましょう。
継ぎ手リンクはまっすぐ挿さないとうまくはいりませんから、スプロケットの歯形にチェーンを合わせて、そこに差し込む方法で行うのが簡単です。Oリングを忘れずに入れましょう。
「かしまる君」を圧入モードに組み替え、リンクプレートを圧入します。ピンに当たるまでしっかり入れます。このあたり、最初から寸法が出るように作られている「かしまる君」に任せます。
最後に、ピンをかしめます。
このかしめ工程は、ピン先端に楔を押しつけてラッパ状に開いてしまい、抜けなくするものです。これも当たるまでしっかり締め込みます。
こうしてピンのかしめも完了。これで他のリンクと同等の強度を持つつなぎ目が出来ました。
最後にチェーンを適正値に張って完成です。忘れないようにホイールナットを占めておきましょう。