File33 PDAとGPS

 ツーリングに行く際には、PDA(ポケットコンピュータあるいは電子手帳)を持っていきます。
 用途は主に、出先でメールを書いたり読んだりするためのものですが、それだけなら今や携帯電話でも可能になっています。

 話は全然変わって、ツーリングの道案内には、GPS(カーナビ)を使っています。
 普段使っているものは、自動車で使用するのと同様のもの、ハンディタイプでCD−ROM一体型の物がバイクでは便利なのでそういうものになります。
 しかしこれがまた、如何せん本体寸法が大きい。タンクバッグのほとんどのスペースを食われてしまいます。

 小さな物はないだろうか?
 そこで、普段持ち歩いているPDAでそれが出来ないものか、ということで、検証してみましょう。



 GPSユニットは、いくつかのメーカーから発売されています。
 以前はSONYのPCカードとケーブルで接続するアンテナが主流でしたが、今の主流はコンパクトフラッシュタイプ2のものでしょう。
 それらのなかでも、様々なPDAに対応しているものとして、アイオーデータ社のCFGPSがあげられます。



 PDAは、いろいろなOSのものが出ています。
 WindowsCE、PalmOS、Zaurusなど。

 端的に言ってしまえば、どれでも対応は可能です。
 OSよりもPDAのハードウエアにより、その可否あるいは利便性が決まります。

 GPSアンテナがコンパクトフラッシュタイプ2であるため、まずはそのためのスロットが必要です。ここで大半のPalmは使えなくなります。
 また、GPSに使用する地図を保存する領域も必要です。カーナビのCD−ROMならば、640MBもの容量を持っているわけですが、そこまでは必要ないにしてもそこそこ大きな容量が必要です。

 PDAの内蔵メモリでは、せいぜい32MBの記憶領域がいいところで、それでは不足します。
 そうすると、もうひとつ記憶媒体用のスロットが必要になります。
 今、2スロットに対応している機器はWindowsCEの東芝 GenioシリーズとNEC PocketGear、そしてSHARP ZaurusMI−Eシリーズです。
 これらは前述のコンパクトフラッシュタイプ2スロットとともに、SDメモリカードスロットを装備しており、GPSアンテナと同時に記憶カードが使えます。

 そこで今回は、SHARP ZaurusMI−E1を使用しました。



 Zaurusに対応している地図ソフトは、MobileATLASです。
 言うまでもなくATLASの地図(市街地に詳しい)がベースになっているもので、DVD−ROMにて提供されています。ATLASについては市販のパソコンにも地域限定版が付属していることが多く、業界標準的なものになっています。

 DVD−ROMで供給されるので、PDAに直接読むことは出来ません。
 PDAでの使用は、SDメモリカードに必要な地域を切り出した上で使用します。
 全国の地図をすべて切り出すと、400MBほどになりますが、現時点(2002年6月)においてSDメモリの最大容量は256MB、コンパクトフラッシュは512MBのものも発売されていますが相当に高価なものです。
 そこで、入手しやすく手ごろな価格の128MBを使用し、適宜入れ替えて使うものとします。

 DVD−ROMドライブ、そしてSDメモリカードスロット(あるいはそれのアダプタであるPCカードを使えるスロット)のあるパソコンで、必要な地図を切り取り、SDメモリカードに書き込みます。
 GPSを動作させるソフトも同様にSDメモリカードにコピーします。Zaurusの場合はMoreソフトとして提供され、本体にインストールして使用します。



 GPSユニットをコンパクトフラッシュスロットに差し、地図データをSDメモリスロットに差します。電源を入れ、MoreソフトからMobileATLASを起動させます。
 そして地図をSDメモリから呼び出し、GPSを測位させます。

 定評ある機器だけに精度は悪くないのですが、PDAであるが故の問題点があります。
 画面を直接タッピングして使用するPDAだけに、このソフトもそのように作られています。そのため、走行中に使用するというのは非常に困難になります。
 画面は日中でも見やすく、一般の液晶モニタよりこの手の使用に向いていますが、操作性に問題ありでは少々不向き、という感じですね。

 この点は最近発売されたWindowsCE用のデンソー Navistantでも同様の操作性で、このあたりの改善を望みたいものです。

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