第27話 CCRの行方

 3月第二週・日曜日。
 BO誌が発売されて最初の日曜日は、我々にとってCCRのデフォルト日である・・・ってここまででは第26話と同じになってしまう。
 最近の行動として、捜し物はF650でゆったりと、CCRはフサベルでそれなりに、ということになる。2週間後の日曜日、やはりエンジンはかからなかった。昨年11月のCCR以来となるだけに、バッテリーが弱ってしまっている。乗ってやらないとまた今年もバッテリーをいくつか交換することになりかねない。
 インプレッサのバッテリーにつないで始動する。一度かかってしまえばあとはキックもあるし、スタート地点まで高速走行すれば復活するだろう。

 名阪加太トンネルを抜けると、にわかにかき曇る空。ほどなく雨の粒が落ちてきた。
 上野ドライブインに立ち寄り、しばし天を眺める。携帯電話で天気予報を聞けば、大崩はしない様子。雨が当たらなくなったころを見計らって出発。



 天理で名阪と別れ、奈良公園脇を通過しながら京田辺へ。
 同志社大学前の駅が今回のスタートポイントだ。

 同志社大学・・・倉木麻衣で最近は夙に有名ですかな・・・のお膝元、JR片町線の駅は客車を待合室にしたものか。駅前はスペースもないので、筋向かいのローソンへ。すでに作者のちゃばさんほか何台かのバイクが到着していた。それとて往年の数には及ぶ物ではなく、たいていが顔見知り(いや、私にはほとんど知らない顔ばかりだったのだが)というのは寂しいものだ。



 今回は林道も走りやすいところが多い。竹林の林道など通れば気持ちも爽やかで。

 早々とスキーシーズンを終わらせたのは、急に暖かくなって桜の便りも聞かれた頃だ。所々で桜祭りの準備なども始まっているが、今週は冬に戻ったかのような寒さで桜の開花状態ももう一歩といったところ。
 しばらく舗装の長いコマが続く。距離補正も必要ないと思っていたらどうも前回の補正値が解除してなかったようで、103%とあった。



 ちょうど中間地点でコンビニに駆け込む。時間は昼を少し回った頃。
 CCRの最中にスパゲッティなど食うほど余裕があるのも久しぶりのこと。

 雨が止んだので、コンビニを早めに出発した。他のわずかな参加者はもう少し様子を見るとのこと。
 林道は、昔通った道であることがわかってきた。その時のパスチェック箇所でカメラを構えて後続を待つ・・・が、再び雨が降り始めた。そそくさとヘルメットをかぶり、出発する。



 が。

 雨はやがて白い筋を描いてゆっくりと降るように見えた。
 霙から雪へ。暦の上だけでなく、ここ1〜2週間の暖かさからすっかり春モードにあったが、3月後半に突然雪が降るのもわりあいよくあったものだ。

 

 天候が崩れると一気にテンションが下がる。舗装道路が連続し始めたこともあって淡々と走る。
 100kmを越えるCCRながら、比較的平易な林道とわかりやすいナビゲーションで時間もかからずに終盤を迎えた。



 今回は、ゴール地点がわかりやすかった。そしてそれには作者の意図があった。
 このところ減っている参加者、しかもそのほとんどが顔見知りという状況から、新しい参加者を呼び寄せるには時事ネタをからめながらわかりやすく、ということ。
 決してバイク人口が減ったとは思わない。同誌の「ここどこ」でも確かに出会うことが少なくはなっているが、誌面に掲載される数は減ってはいない。だが、CCRは確実に減ってしまっている。
 BACKtoOFFroadにおいても、「林道探索倶楽部」の参加者がいなくなったことで今後の復活の目処も立たない・・・まあこれはネタ作りの時間の都合も多分にあるのだが・・・様になった。
 多ければ多いなりに、他の参加者に出会いすぎてCCRの醍醐味であるルートファインディングが楽しめなくなるというのはあるが、そんなに閉鎖的な遊びでなくてもいいと思うのだけど。

 CCR=クロス・カントリー・ラリー

 パリダカなどの有名ラリーも、こういった草ラリーの延長線上であるとは思えないだろうか?
 しかし四国を舞台にしたSSERが昨年をもって終了した。また同団体の開催していたラリーレイドモンゴルも終幕を迎えた。

 これからCCRはどこへ行く・・・

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