File33


一般的にトランスポーターは、

各種レース参戦を目的に、

あるいは移動距離が長く、

バイクではリスクの大きい時に

その運搬手段のひとつとして存在することは多い。

しかし、それが日常の用途も考えての使用となると、

なかなか適材適所とは言えない場合もしばしば。


そこで極力バイクと自動車に手を加えずに

トランスポーターとしての役割を果たし、

そして日常の用途に支障の無いひとつの方法を、考える。

題材のミニカトッポは、車両前〜中部はセダン、

後ろが積載スペースという自動車としては中間的存在である。

対するKSRは小柄な車体ではあるものの、

車長はモンキーやゴリラに比べても明らかに大きい。

上の写真のように並べると、これが入るのかと不安にはなる。

さて、積みこむ前の準備として後部シートをたたみ、

タイダウンを1組、汚れ防止のシートを1枚用意。


私の場合はインテリア店で売っていたハギレの絨毯を使う。

ミラーは外しておくが、基本的には外さなくても大丈夫。

ラダーレールも使用しないことを前提にしている。

前部座席は標準位置だが、助手席側のみ前に倒す。

車体は直前の状態では納まらないので、

ハンドルを左に向けて助手席と後部座席の間に

フロントだけ落とすようにする。

この時、助手席を前に送ると引き出すときに手間がかかるので、

座席位置は常に標準ということだ。


この時点でもそれなりに車体が固定するけれども、

助手席を倒している事で、

運転中に頭にハンドル当たる可能性が増える。

理由は他にもあるけれど、

その為にタイダウンで固定する。

場所は後部座席を固定するためのフックと

後部座席にある荷物固定用の可動シャフト。

これをKSRのハンドルに繋ぎ、固定する。


固定前にサイドスタンドを立てておけば、

安定感もあるので利用したい。

1名乗車であればこの状態が最も便利なのだが、

2名乗車であれば、助手席を若干前に送って、

シートを起こせば乗ることはできる。

乗せる人に上限が発生する場合もあるけれど、

バイクを載せても空きスペースは結構あるので、

2人組のレース参戦程度ならば

必要にして十分かもしれない。

文・写真 山本賢史


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