File32 オイル

 バイクはエンジンで動きます。
 エンジンは金属部品で出来た機械ですから、スムーズに動作させるためには油などで潤滑させる必要があります。
 その潤滑を受け持つのが、エンジンオイルです。

 バイクには2サイクルと4サイクルがあります。エンジン潤滑用のオイルとギヤ類潤滑用のオイルが異なる2サイクルに対して、4サイクルは同一のオイルがヘッドからギヤボックスまでを潤滑しています。そういった違いがあるので、それぞれ要求されるオイルの特性が異なるわけですね。
 今回は4サイクル車を例にとります。

 皆さんはどういったグレード・粘度のオイルをどのぐらいの周期で交換しているでしょうか?
 車の場合、カーショップなどでオイル交換すると、次回交換距離のシールを渡されますが、3000km後の数値になっていると思います。これなんかは商売からみますから早め早めの交換をさせる目的で短めの距離を書いているという一面もあるでしょう。それでも3000〜5000kmが一般的な値であるでしょうか。
 車は回転数がバイクに比べて低い(一般的には。インプレッサだと、通常走行時の使用回転数はF650より高いのでそういう場合もある。)ことと、エンジン自体が大きいだけにオイル容量も多く、熱上昇や劣化しにくいということがありますから、バイクの場合にはその周期では長すぎるのかも知れません。

 コンパクトなレーシングエンジンを採用したフサベルやWRなどの場合、回転数が高い上に熱量も多く、おまけに小さく作ったがためにオイル容量もきわめて少ないのです。フサベルは、オイル交換の際には500ccしか入りません。わずか500ccのオイルで高回転高熱量の仕事をさせるのですから、短い周期でグレードの高いオイルを交換することを要求されます。
 マニュアルによると、「最低でもSGグレード、粘度5W−50の100%化学合成オイルを初回2時間(!)その後は10時間(!!)ごとに交換すること」とあります。10時間って、、、なあ・・・
 これはレースでの場合で、一般使用する場合は1000km程度で交換すればよさそうです。なにしろ長距離走るバイクではありませんから、1000km走るためには3ヶ月はかかるでしょうから、期間的にもそんなものでしょう。
 要求されているグレードのオイルは、バイク系のショップでは入手しにくいものです。手に入るのはCastrolのSyntronぐらいでしょうか。2サイクル用と違って車と基本が同じオイルでいい4サイクルの場合は、カーショップへ行った方が選択肢が多いですね。
 これまで、Castrol、AUTO-IN、TropArtic、Agip、BP、Gulf・・・と使ってきましたが、GulfとCastrolはフィーリングが良かったですね。安いAUTO−IN(オートバックスオリジナルです。でも製造はMobilですから。)もそこそこでした。最近、写真のTRUSTに換えてみました。まだ数キロしか走ってませんから評価は出来ませんが。こうしてオイルの選定をしているのも楽しいものですね。値段は高いですが、フサベルなら1本で2回使えますから(とはいっても距離あたりではやはり高いけど)それほどではないでしょう。

 大型のエンジンにドライサンプで大容量のオイルをため込んでいるF650などのツアラーの場合は、使用回転数も低いのでそこそこの距離を使っても良いようです。5000回転以下で使用し、2.3リッターも入るので、ほとんど自動車と同程度かそれ以下の負荷ですから交換時期としても5000km交換でも廃油の程度は悪くありませんでした。
 この手の大容量車の場合、1リッター缶を買っていたのでは不経済ですから、車用の4リッター缶などを買ってしまったりしますね。ペール缶などで持っているショップなどなら100cc単位で売ってくれる場合もあります。
 BMWディーラーの場合、純正オイルは100cc単位で買えますが、その他の推奨オイルであるMOTULなどは1リッター売りなのでとっても不経済です。最近はドライサンプ車の交換が面倒になってきてショップに任せてしまってますが、純正の半化学合成オイル使用です。エンジンの負荷状況からそれで問題ないでしょう。

 自身でオイル交換する場合。
 廃油はむやみに捨てないように。



 こうした廃油回収箱を使って可燃物としてゴミ出しするようにしましょう。
 オフロードバイクは環境に優しくない行為である場合が多いですから、最低このあたりは押さえておかなければ。

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