File02 薪割り

 暮らしの燃料として、今では石油系のものがやはり主流な訳です。
 仮定での暖房も灯油やガス、電気(これも多くは火力発電に委ねられているのですよね)で賄われているのです。



 また、風呂についても同様のことが言えます。写真中、上の方に見えるオレンジ色の箱が、石油バーナーになります。

 が、しかし。

 この丸い物体は、石油だけではなく、昔からの燃料を燃やすためのものです。
 昔から伝わる燃料。それが、薪です。



 山とともに歩む人々にとって、薪は身近なものでした。各家庭の軒下にはこうして薪が積み上げられていたものです。
 一般的に薪とは、木を切って適当な太さに割ったものを言います。

 薪は、冬の間に一年分の準備をします。
 別に夏に用意しても良さそうなのですが、汗で滑って斧が飛んだりしては大事故になるので、冬にやっている・・・という風に理解しているのですけどね、私は。



 割るのに使う斧は、分厚い鋼の楔を木に叩き込むものです。
 自分のフィーリングに合った斧をみつけるまでいくつもトライして、その中から最良の一品を使用しているのです。一つ間違えば危険なこともある斧ですから、そのあたりは真剣なものです。



 薪のもとになる木は、山から切ってくるわけですね。
 もちろんむかしはノコギリだったのですが、今はチェーンソーがその役目をします。
 電動のものとエンジン式のものがあります。右端のホームライトは外国製で、すでに30年近く使われているものです。小型で高回転を発生するエンジンは2ストロークの混合仕様です。
 近年はガソリンの確保が面倒になってきました。消防法の関係もあって、専用のタンクでないとガソリンを売ってもらえないのです。混合ガソリンを使うバイクに乗っている人にはわかるでしょうが、混合するには透明あるいは半透明のタンクでないと難しいんですよね。



 切ったら下界へおろさなければなりません。
 手で運んでいたのでは日が暮れる。トラックにユニックを取り付けて省力化したり、電気の使えない山でエンジン式ウインチを使っての作業で木を下ろしてくるのです。



 薪を割るには、ちょうど良い高さに木をホールドする必要があります。
 木を割った斧はそのまま土台に当たるので、土台は木であることが望ましい。作業性を考えるのは作業する人。工夫の跡が見える作業台です。



 薪は、生活燃料だけではありません。暖房や炊飯、身近なところではキャンプファイヤーなどにも使われます。
 山を持つ人たちは自分で必要な薪を確保するのですが、山を持たない人々にとっては、薪は買わなければいけません。

 買う人が居ると言うことは売る側もあるわけで。
 薪を束にして一束いくらという売り方をするのですが、束を作る作業もこうして作業性を研究しているのです。

 薪は、火力では石油に及びません。しかし、長い時間熱をキープできる薪は、本来燃料としては優れたものです。
 やはり冬は薪で沸かしたお湯に浸かり、薪ストーブにあたって過ごすのがよろしいようで。

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