File31 休刊になった雑誌

 ここ2ヶ月ほど編集後記の方でいろいろと話題にしていますけど、今月をもって「outrider」誌が休刊になります。「廃刊」という見方もあるのですが、認可問題や何やで「休刊」という形をとるのが再発行時に手軽なのでそういう形になったのでしょう。

 バイク雑誌には、2通りの形態があると思います。
 ひとつは、レースなどの報道を含めた、スポーツ系のもの。もうひとつは、旅情報を中心としたもの。outrider誌は、後者に当たります。
 速報性が必要で、今現在が重要な前者と違って、時期がたっても読み返すことの出来る情報誌、バイブルの様なものであったのがこの雑誌でした。

 唐突ですが、今、バイクの方向性はどちらを向いているでしょうか?
 峠族やオフローダーは、明らかに少なくなりました。最近はTWなどに代表される街乗りのものが多くなっているのは事実ですが、それとは別に、大型免許が取りやすくなった関係で大排気量のバイクが増えています。また高速道路の延伸と速度制限緩和で、遠くへ短時間で行けるようになってきました。

 こうしてみると、ツーリングに出かける材料としては以前より増えているはずなんですが。
 なぜ、ツーリングバイブルたるoutriderが休刊になったのだろうか?

 確かに自分も、最近は買ってなかったのであまり大きなことは言えませんね。私が好んだのは、中期のoutrider誌ですから。夕日写真があったりね。

 見回してみれば、BACKtoOFFroadはアウトライダーのパロディ的なページが多くなってしまったのですが、それは意図したものではなく、作っていたらそうなったのでした。
 怪しい軍団が行く : へなちょこ探検隊
 Lets考察 : 道端考察
 酷道一直線 : 国道一直線
 そのほか、夕日などなど・・・
狙ったところもあるんですが、「酷道一直線」なんかは、始めたころには本家「国道一直線」の存在を知らなかったなど、必ずしもoutriderを模倣したものではなかったのです。
 なぜそのようになったのか、と考えると、それはライター/編集者の色が、自分に合っていた時期があったからでしょう。ライターの野岸氏、編集時代の菅生氏らは、自分が共感したくなる感性をもってこの雑誌を作られていたから、その当時のoutriderは確かによく読んだ。そして、彼らの姿が同誌から消えたとき、そこは自分の欲する場所でなくなったのでしょう。

 そう、感性。それが違ってしまったのだと思う。いや、それは私だけですが。
 その顕著な部分を、残念ながら最終号の、とある一文に見つけてしまってます。

 もし本当に「休刊」なのだったら、また復刊してほしい雑誌ではありますね。
 速報性が必要ないものなのですから、毎月出なくてもいいでしょう。取材時期がいろいろずれてもいいでしょう。じっくりと作り込んだoutriderならではの味を、またどこかで味わいたいものです。

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