File01 干し柿

 皆様のところでは鏡開きも終わったでしょうか。
 鏡餅にはみかん(だいだい)が乗っていますが、場合によっては、鏡餅とともにさんぽうの上に干し柿をのせることがあります。
 「だいだい」が「代々」につながるように、干し柿の皺を老人の皺に置き換えて、いずれの意も末永く・・・ということの願いが込められているものですね。



 干し柿は、串柿と吊し柿の2種類が主な作り方になるでしょうか。
 食用として一般的にはつるし柿が用いられます。鏡飾り用は串柿ですね。

 気温が高いと柿が腐ってしまうので、最初は冷暗部で乾燥させます。あるていど乾いてきたら、日に当てても大丈夫になるようです。



 干し柿にするのは、基本的に渋柿です。渋柿の渋みを変成させて甘みに変えていくのです。
 さわし柿(アルコールで渋抜きをしたもの)も同様ですが、甘柿ではうまく出来上がりません。


 干し柿とは少し違うのですが、こんな柿もあります。



 信田柿と言う柿で、葡萄大の小さな実が鈴なりになります。熟した物を食用にします。
 また、皮をむかずに日干しして干し柿風にすることもできます。わりあい手がかからないので使いやすいものです。
 この柿は、あまり一般に栽培されていません。たまたま我が家にあったものですが、この干し柿を鏡餅に添えたこともありました。

 本来、秋の味覚である柿。
 それを干して保存することで、甘味の乏しい冬の食料にしたものが、干し柿。
 冬の味覚の多くはこうした保存食であったりしますね。

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