File17 我こそは料理人なり

 大勢でキャンプ会を行う。回を重ねてメンバーも常連が増えてくると、皆それぞれに趣向を凝らして料理に凝り始めたりします。



 毎度おなじみもんはまさんの讃岐うどん。
 今回は大根おろしと生醤油で食べる辛いうどんが絶品でした。



 肉料理はやはりキャンプの定番であります。豚キムチやカルビ焼き、味付けも個々の工夫がこもった美味料理のオンパレード。


 さて、今回は我々も腕をふるうといたしますか。
 諸々の理由で車で参加することになった林道祭り、それならそれでやれることはいろいろある。大荷物を苦にしない車で有ればこそ、の道具を持って、いささか反則気味の料理を出品しました。
 腕を振るうのは中部の最終兵器と恐れられる(笑)一升くんです。



 秋の信州は気温も下がり、暖かいものが良いだろう、と用意したのは24cmの半寸胴鍋。そして2バーナーのガスコンロがその火力になります。
 まずは鍋。これもいろいろと考えられたのですが、今回はいつもの極悪鍋をあえて封印、モツ鍋の登場と相成りました。

 キャベツは丸ごと1個、ニラは2束。そしてモツ鍋キット(要は作るのが面倒だっただけだが・・・)を4つ、計16人前の鍋を作ります。ニラが多いとおいしい、ということでかなり多めの設定になりましたが、やや薄めたしょうゆ味スープと相まって、なかなかの味にできあがりました。これはもうビールに限りますね。



 モツ鍋の残り汁は、翌朝の雑炊にしましょう。
 米は、いちいち炊く必要もありません。電子レンジ用のパックご飯を使います。お湯でゆでる袋物でも良いのですが、実はこのレンジパックがいちばん雑炊に向いている、と思います。水分云々は全く関係なくなる雑炊ですから、こういった簡単な材料で手軽においしく作るのが野外料理の真骨頂でありましょう。



 さて、もう一品。
 郷土料理もいろいろあれど・・・ということで、ワタクシ桑名代表といたしましてはこの様な郷土料理となるわけであります。

 そう、蛤。

 「その手は桑名の焼き蛤」ということで、金網とホワイトガソリン、粗塩なども持って行っていたのですが、趣向を変えて蛤の酒蒸しとすることになりました。そこは酒飲みの一升くんを料理長として迎えた甲斐があったというものです。
 酒は伊那の地酒を使いますが、酒だけで作るといかにも酒臭すぎる、ということで、最初は水煮します。途中で酒を加えてネギなどを少々散らせば蛤の酒蒸しのできあがりです。
 酒をあえて少な目にしたのは大成功で、蛤の味が際だつ素晴らしい出来ばえでした。中国産であったのはやや残念ではありますが・・・



 酒蒸しの蛤をいただいた後の煮汁ももちろん無駄にはしません。
 蛤を出汁にした贅沢なスープがそこにあるのですから、ここはひとつ湯豆腐と行きましょうか。



 仕上げは刻んだネギと味ぽんです。

 いや〜美味いっ!

 これはもう日本酒ですね。蛤の出汁と暖かい豆腐に日本酒。暖まることうけあい。緩やかな酔いに身を任せ夜も更けていったのでありました・・・

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