File27 シールド付きヘルメット
オフロード用のヘルメットは、ゴーグルを使うもの、と相場が決まってますね。
オンロードの世界ではシールドが当たり前なのですが、オフロード用にも少数ながらシールド付きがあります。
これまではVZからFXと、ショーエイ製に限られていたシールド付き。
眼鏡使用の場合にはシールド付きはありがたい。しかし、頭の形に合わないからショーエイが使えないという場合、シールド付きはあきらめざるを得なかったのでした。
このたび、アライからもシールド付きのTourCrossが発売になり、選択肢が増えました。
シールドを全開にすると、開口部のほとんどがオープンになります。
V−Crossなどはゴーグルとの相性を考えられており、ゴーグルを付けた状態でほとんど隙間が無くなる設計ですが、TourCrossの場合は最初にシールドありき、で設計されているため、開口部は最大限に大きく採られています。
もちろん、シールドを外して使うことも可能です。その際はゴーグルを使用するわけですが、ヒンジ形状がタテ長なので、クイックストラップとの相性は良くない、という噂があります。もっともこのヘルメットでシールドを外す意味があるのか・・・値段も結構かさむヘルメットであり、重量などを考えても、競技用としてゴーグルで使用することが勧められるものとは感じないのですが。
シールド化によって問題となるのはベンチレーション。
最近のヘルメットはほとんどがヘッドベンチレーションを採用しており、このモデルでも左右2カ所が前後につくものです。開閉式の蓋がついており、閉めたり開けたりしてみると、なるほどその効果がよくわかります。
しかし、ベンチレーション効果はそれほど高くないと感じられます。
アライのオンロードモデルにはノーズディフレクタが標準で、その前からシールドに空気を流す機能を持ったものがあります。
TourCrossにはノーズディフレクタが付いていないため、息でシールドが曇る状況になりやすかったのが気になった。また、「少しだけ開ける」といった調整ができない構造になっており、悪天候時の使用には若干疑問符が付く。
(ノーズディフレクタはV−Cross、OWと共通のものが取り付け可能)
走ってみてわかった欠点がひとつ。
風に非常に弱い、ということ。
とくに、ちょっと横を向いたりする瞬間に首を持っていかれるほどの風圧を感じます。
これは、比較対照がオフロード用のヘルメットであり、ゴーグル使用の場合に比べて側面投影面積が大きくなってしまうから起こる事のようです。上の比較写真でわかるのは、顔から離れた部分に風を受ける壁ができてしまっているということ。これが最大の弱点と思われます。
TourCrossの名の通り、ツーリング向きのヘルメットであり、当然高速走行が発生したりするものです。高速走行での風圧問題、これはシールド付きにとっては今後クリアしていかなければならない問題と言えるでしょう。
そのほか、シールドへの内部の写り込みもあります。
めがね使用のライダーは、めがねがシールドに写って目障りに感じると思います。まあこれは慣れで解消できるとは思いますが。
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