第21話 ナイトラン

 「ナイトランしませんか」

 出入りしていた掲示板で誘いがあった。
 いつもの林道だ。

 その日は仕事のある週末だが、ナイトランとあってはそれも問題ではない。
 問題はむしろ翌日の昼から出勤しなければならなくなったことか・・・

 出がけにフロントフォークのセッティングを柔らかくする。精一杯柔らかく、伸び側も圧側も。あとでこのことで大変苦労することなど考えもしなかった。



 集合場所はいつものコンビニ。
 すでに案内人のO氏と、私の誘いで参加のK氏が到着していた。その後I氏、T氏、Y氏、A氏が集まる。7人か。久しぶりに多いな。

 いざ、夜の林道へ!



 決して初めて走る道ではない。
 元より後ろに着かれることを非常に嫌うタイプである私は、ナイトランなどライトに追われる状況では最後尾を走ることにしている。
 が、今日は、装備がツーリングライダーのK氏が私の後についた。

 このところ荒れてしまっているこの林道、沢のようになったガレ場の連続は挙動の速いエンデューロレーサーにとっては速度が遅すぎて走りにくい。それを補おうと、とにかく柔らかくセッティングしようとしてきた。実際、今までほとんど停止状態ではストロークさせられなかったフロントフォークが、スムースに動くようにはなっている。
 しかし、「セッティング」という言葉とは裏腹に、単に柔らかくしただけ、ということはまったく設定などないに等しい。

 これまで以上に安定しなくなった車体に、走るどころではなくなってしまった。石ころひとつで右に左に飛ばされて。
 おそらくゆっくり着いてくるつもりだったであろうK氏には悪いことをした。まったく走れていない私は、単なる邪魔者でしかなかったろうに。

 峠まで登り切るとそこには小さな広場がある。そこで休憩するのがいつものナイトランだ。



 T氏らの知り合いが広場でキャンプをしていた。

 ここからまた林道を走り始める。
 今度はフラットなところなので、真ん中あたりを走ることにした。ちょっと気合いが入りすぎか、つっこみすぎてブレーキングが強くなり、立ち上がりが遅い。この林道は夜景が見えることもあり、少し楽しみたいのもヤマヤマではあるのだが。

 途中で先行の2台をパスする。色つきシールドを使用する彼らは、見えなくて苦労していた。ヘッドライトがそこそこ明るい私のバイクはこういうところは結構苦手ではないので、さらに前に行っている3台を追う・・・が、とても追いつかず。



 そして今日のルートの終点に到達した。
 いつもはここで花火なども行われるのだが・・・



 花火よりゃ夜景でしょってことで。
 しかし、カメラの選択を誤った。Nikonを持っていったのだが、こんなときはEpsonだったなあ、、、と。



 林道を出て最後の休憩、ここで解散。
 私はあと数時間で会社へ行かなくてはならない・・・みなさんはお帰りですか?

 え、もう一本行くって???

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