The 9th Tour de Fukui

5/14(月)
 一通の封書が届いた。差出人は、「Jet’s」とある。
 今年も、あのイベントがやってきた・・・

 Tour de 福井は今年で9回目を迎える。

 今年はメンバーを募り、前夜祭から参加することにした。
 時は6月23・24日。梅雨のまっただ中で雨が心配だが・・・


6/23(土)
 朝起きて外を見たら、予想通り雨。

 夕刻には志津原キャンプ場に到着し、まずは受付と車検を済ませる。相変わらず目視だけなので、問題なし。さすがにナット落としたバイクだと言うことは車検スタッフもご存じ・・・



 前夜祭には60人ほど集まっていた。くじ引きで場所を割り振られる。同じ席には知人がいた。
 肉が瞬時になくなるほどの勢いで喰う。そして飲む。

 前夜祭が終わり、バンガローに帰ってマップ作成。
 メンバーの国際ラリーストの手ほどきでロールマップを巻き上げる。
 夜も更けて早々に寝る。明日は早い。


6月24日(日)
 雨は・・・やまなかった
 カッパを着るべきか迷う。動きにくいし、蒸れる。3年もののゴアテックスの防水性を信じ、カッパは使わないことにした。
 朝食の配給を受け、バイクをスタート地点に移動する。



 ブリーフィングで、一カ所林道のキャンセルが発表になる。この雨では難しい道らしい。通行できるルートも、川のようになっているところが多いとか。天候次第でその後の対応も徐々に変化する、という。
 天気予報では昼までは強く降る。



 初心者クラスから順にスタートする。
 昨年は途中まで独走できたのだが、今年はすぐに何台かに抜かれた。



 林道に入る。
 そこまでの舗装区間より速度意識が上がる。エンジンの調子はいい。
 CP1を過ぎて前走車においつき、抜きあぐんでいるところを一気に抜かれる。素直にウデの差、とあきらめる。
 舗装に降りると、ひたすら抜かれる。雨の中、異常にペースは速い。
 街中というのに車を左右から同時に抜くバイク・・・ちょっと、いいかげんにしろよ。自分がその車を運転していたらどう思う?

 やや団子状態になってきたので、途中で休憩して集団を見送る。



 CP2からは、ぬかるんだ林道が多くなってきた。
 このころから林道でも徐々に後続に抜かれ始める。
 「滑る」という意識が、そして視界の悪さが、右手にリミッターをかける。アクセルが開けられない・・・



 藪こぎ、流水轍、ぬかるみ・・・途中、路面の欠落箇所に肝を冷やす。



 突如、海へ出た。

 越前方面へ向かっていることは標識から判断できたが、方向音痴の私には向かっている方向がつかめていなかった。
 ゆっくりと海を眺めながらスタンディングで流す。天気は回復に向かっている様だ。



 迂回になった箇所には、崖落ち車が出た、という連絡が入っていた。林道名から先ほどの欠落箇所ではないか?スタッフが引き上げに向かう。大事には至っていないという。
 しばし海沿いを走り、ここでも何度か写真撮影や休憩を挟み、かなり遅れて林道へ入る。途中で石ころに正面から突っ込み、タコ踊りになる・・・危ない危ない。



 CAP走行の連続する区間へ出た。
 直前のコマから若干距離が合わず、1個めを見逃す。戻って方向確認、間違いではなかった様で再びオンコース。3つ目で、微妙な角度の分岐がある。コンパスの針がぶれる。右、と判断して入ると、そこで考えていた数台も続く。



 CP3でケータリングサービス(昼食)となる。朝と同じおにぎりに豚汁、なぜか朝より美味い。

 ここで、以後のコースのショートカットが発表された。



 午前中に大雨警報が出てしまい、関係省庁からストップが示唆された様なニュアンスか。この先恐らく越前西部林道、キャンセルは惜しい。
 通常ならば開けることのないエマージェンシーキットを開き、中に入っているショートカットコマ図をロールに貼る。意地でも全体の地図は見ない。



 ここでガソリンを補給する。ドラム缶を持ち込んでの仮ガソリンスタンドだ。5リッターちょうど入る。リッター25kmは400cc車の林道走行としては良すぎる。如何にアクセルが開けられなかったかが数値ではっきり出る。



 皮肉にも天気は晴れに転じた。途端に暑くなる。
 海岸線の高地を走る林道からは青い海がまぶしい。フィルムのなくなった「写るんです」、バッテリーの上がったデジカメ。準備が不足していたことが悔やまれる。



 最後の林道を抜け、志津原キャンプ場へ戻ってきた。ここでゴールとなる。
 CP4の空欄が寂しいチェックカードを提出し、GOALのタイムを記入してもらう。



 閉会式では、ショートカットについての説明があった。
 昨夜の前夜祭で、代表の谷口さんに今回のツールドの苦労話などを伺ったときに、「関係各省庁との折衝に一番苦労した」ということを聞いている。それだけに公認イベントとして大手を振って開けるというもの。
 しかしそれは窮屈になった、ということでもあり・・・

 過去と比較するのはよくないかも知れない。
 今年あまりにも目立って感じてしまった舗装道路での暴走。昨年はこんなことはなかった、と思っている。自分がそれ以上に飛ばしていて抜かれることがなかっただけだろうか?

 自分で自分の首を絞める。そういうことになるのでは、と危惧してしまう。
 俺は、公道で「レース」はしたくない。
 このイベントはそんな低俗なものではない、と思っている。

 作り手どれだけの労力を払って、どれだけの気を遣って「より楽しいイベントを作ろう」としても、一部の参加者が勝手に「楽しんで」しまうことで今後が「楽しくない」ことになってしまわないか?


 おかしかったのは雨のせいだ。早く終わりたかったんだろう・・・今はそういうことにしておいたほうがいいのか?本当にそうなのか??


 ほとんどのエントラントが帰る頃、我々も解散とした。



 来年?


 どうしようか・・・

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