第20話 「裏」ツールド福井日記

5/14(月)
 Tour de 福井の案内が届いた。
 昨年の悪夢(ホイールナット外れ)が記憶によみがえる。リベンジせねばなるまい。
 旅は道連れ、と、MLに募集をかけてみる。数人の参加表明があった。

 しかも、集まったメンバーが、XT660テネレ、F650GS−Dakar、KTM640Adventure−R、XVR750アフリカツイン・・・
 とてもF650funduroでは参加出来ない、と、故障していたHusabergを復活させた。XR400、DR250Sを合わせて7台のチーム。

6/23(土)
 朝起きて外を見たら、予想通り雨。
 シートザックを使うつもりだったが、雨対策の強化目的で振り分けバッグを使うことにしてパッキングしなおす。
 午前中に行われた会議が予定外に延び、出発時間が圧している。

 13時15分、自宅出発。
 心配した雨はたいしたことなく、カッパは着用せずに出る。長良川右岸堤防が思いの外交通量が多く、ペースが遅い。大垣まで計画の10分遅れ。揖斐川右岸堤防に移り、少しペースアップ。途中、国道417号線・県外通行止めの文字が気になる・・・
 15:00分のサイレンを道の駅藤橋の直前で聞く。ほぼ定刻到着。駐車場を一回りして停め、ヘルメットを脱いでいると見覚えのある顔が。見送りに来てくれた市川さんだ。ほどなくテネレで壹谷さん到着。

 ここでルートを確認する。予定はそのまま国道417号線から冠林道を越えるつもり。先ほどの電光表示板の確認のため、道路情報コーナーを見るが、情報が5月までの古いものしか掲載されていない。
 主催者はすでに現地入りしており、ショップは電話が通じなかった。目的地にある旅館に電話をして聞いたところ、崖崩れで峠から国道までの間が通行止めになっているという。
 やむなくルートを変更、国道303号線で木ノ本へ出て高速使用とする。

 狭い九十九折りの峠を、速めのペースで飛ばす。木ノ本には16時に到着。お見送りの市川さんとはここでお別れ。
 北陸道に入る。今回は高速を想定していなかったので、ギヤ比は換えていない。スプロケ換えるとナットを落としそうだし・・・制限速度程度しか出せない。バイクを積んだトランポが数台。おそらく福井へ向かう車だろう。
 鯖江で北陸道を降り、山へ向かう。方向がわかりにくい。2人とも地図を持っていなかったので標識が頼り。本来の国道とは別の道(昨年の最終ルートの道だ)を通る。

 峠道で一瞬、後輪が滑った。
「あっ、、、」
という程度で立ち直り、ミラーを見ると、同じ場所で踊るバイクが一台(匿名)こちらも事なきを得る。コケでも生えていたか。乗用車に離されるほど極端にペースを落とす。
 ほどなく志津原キャンプ場に到着。計画の30分遅れに収まった。古川さんのバイクを見つけて先着していることを確認。
 この時点で鈴木さん、森さんは到着済み。稲垣さんの所在は不明。山の中でDoCoMoは携帯・PHS全滅。よって以後の連絡手段はなくなる。
 先着していた面々と温泉へ出かける。入浴を済ませたところに弘重さん到着。



 前夜祭の始まる時間だ。すでに60人ほど集まっている。肉が瞬時になくなるほどの勢いで喰う。そして飲む。ビンゴ大会では一番にリーチしたものの、5リーチのあとようやくビンゴ。賞品は、そこに置き忘れてしまった・・・
 主催の谷口代表に挨拶に行く。関係各所への手配で苦労した話などを聞かせていただく。これだけ大々的にやると大変でしょうね・・・



 前夜祭が終わり、バンガローに帰ってマップ作成。国際ラリースト鈴木さんの手ほどきでロールマップを巻き上げる。
 稲垣さんは結局来ることが出来なかった様だ。
 飲み過ぎたからか、すぐに眠気が襲ってきた。早々に場を辞し、眠りにつく。
 夜中に激しい雨の音でたびたび目を覚ます。
「キャンプの夜中に雨が降るときは、翌朝は晴れだ」
そう言い聞かせて・・・


6/24(日)
 5時30分。目覚まし時計がいくつか鳴っている。
 雨は・・・やんでいなかった。
 カッパを着るべきか迷う。動きにくいし、蒸れる。どうせ濡れてもそのまま帰るつもりだったので、カッパを使わないことに。この時期濡れてもたいしたことはない。



 昨年、わずかながら荷物を持って走ったらジャマだった。今年は古川さんの車に荷物を預けて、身軽に走る。雨だし。
 んが、一番重量級のアフリカツインに乗る弘重さんは全ての荷物をパッキングして積んだ。ナニもさらに重くしなくても(笑)・・・と思ったが、これは秘策らしい。
 荷物を積むことでリヤが下がり、足つきが良くなるそうだ。確かに、もともと安定感抜群のアフリカツインには、少々の荷物を積んだところでその操縦性に大きな影響はないだろう。荷物がジャマ、という感覚は頻繁に乗り降りする場合のこと、アフリカなら乗りっぱなしでいいだろうし、ましてや転倒など考える必要もない。難所で転けたら起こすのはどだい難しい話なんだし。

 早めのスタートを希望してあったので、あるていどまとまってスタートする。もっとも皆がそれなりに経験もあるので、団子で走るのを嫌ってペース配分する。
 最初の林道は、気合いを入れて走った。しかし前車を抜けないまま走っていると、後続にまとめて抜かれた・・・ウデの差歴然・・・
 舗装に出たら、イヤというぐらい抜かれる抜かれる・・・すり抜けは言うに及ばず、右へ左へちょろちょろと・・・そのうえ異常とも思えるハイペースに、追従するのはやめて休憩などとって集団をやりすごす。俺はレースではなくラリーがしたい。

 CP2からは、ぬかるんだ林道が多くなってきた。
 「弘法も筆の誤り」その1、サイドカバー取付中の某難所系ライダー発見。
 こうなってくると、雨でナーバスになり、暴れるバイクに手を焼く。
 ヘルメットが合わず、1時間以内に頭痛が襲う。その度に休憩を取る。林道脇の広場で止まっていると、なにかトラブルかと心配してくれる人も。

 CAP走行の連続する区間へ出た。直前のコマで写真を撮っていたときに距離の狂いには気が付いていたが、その影響で1個めを見逃す。
 「弘法も筆の誤り」その2、前から逆走して来る某国際ラリーストに遭遇。

 すでに走行位置もそうとう後の方になってきたので、お気楽に走る。我々のグループでは、前に2台、後に3台といったところか。それぞれのペースで楽しんでいるだろう。
 海沿いを走るうちに、ここが越前海岸であることに気づく。あ〜、魚が食いたい・・・
 雨でなければ、ちょっと寄り道して食事を、というのもアリだ。まあバックマーカーに迷惑かけるわけにはいかんけどね、昨年の様に・・・

 CP3でおにぎりを食べながら、全員到着を確認する。コース短縮になった途端に晴れてくるのはイヤミか。
 雨上がりの日本海が幻想的に映る。写真を撮ろうとバイクを停めるが、「写るんです」はフィルムが切れ、荷物にもみくちゃになったデジタルカメラはスイッチがONになってしまっていたためにバッテリー上がり。ついていない。コンビニに寄って電池を買うも、すでに風光明媚なルートは過ぎた後・・・

 コース短縮で「帰ろうモード」に入っているので、ただダラダラと走ってゴールまでたどりついた。途中でミスコースして延々と減算トリップをたよりに戻ったのは秘密だ(笑)
 全員無事に帰り着いた様だ。温泉へ行く面々を見送り、3回行われた閉会式すべてに参加して、それでおしまい。

 なんたって、目的はこれなのよ、これ!





おまけ・・・

 解散後、雄志2名は昨日のリベンジに峠通過を試みた。
 すでに崖崩れは除去されており、安定を見ているようだ。
 通行止めでない岐阜県側の方が荒れていた・・・

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