さて、芦ノ湖をあとにして西進を続けよう。
箱根峠は何の変哲もない峠だった。信号の「箱根峠」の文字が寂しい。
下りの峠には車も少なく、快適に下る。いつもこんな感じなら箱根もいいところなんだけどね。
三島から沼津へ。
沼津には、テレビで有名になった富士の湧水、柿田川がある。
柿田川は、このわずかな距離の川を言う。
国道1号線のすぐ脇から突然水色の線が現れているのがわかるだろうか?
その澄んだ水で名高い湧水が、天下の国道1号線脇数メートルの箇所からわき出ている。
写真ではわかりにくいですね・・・
川底の沸き間から、鼓動するようにわき上がる水。
その透明度は驚くほど高く、水草の緑が鮮やかに浮き上がる。
沸き間のそばに、「飲料水に使う」旨の看板が立てられている。
柿田川の湧水は、沼津市の水道に使われている。水道局の取水場が柿田川湧水公園から見える。この名水を水道で飲める沼津の市民が羨ましい。
公園を一回りしたら、名水で打った蕎麦をいただこう。
蕎麦の味は・・・もう少しがんばっていただけると名水蕎麦の値打ちも上がるのだが・・・
柿田川で一時を過ごしたあとは再び国道の旅を続ける。この日は残念ながら雨模様、本来ならばこのあたりは・・・
田子の浦に打ち出でてみれば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ
見えんやないかいっ!
田子の浦港からは伊豆の土肥までフェリーが出ている。国道1号線には沿っているものの、高速道路からはやや離れているのでどれほどの需要があるのかはわからないが、渋滞の多い伊豆のこと、便利なのだろう。
カーフェリー食堂・・・自販機コーナーやないかいっ!
本来なら富士山を右手に見ながらの旅になるはず。今日は左手の海だけが目に映る。
それもつかの間、東名高速が上から海側へ移り、由比ヶ浜の風景が遮られる。
由比の港には桜エビのモニュメント。静岡の名産桜エビは桜色の小さな海老で、干して使うことが多い。
清水から静岡の町をバイパスで抜けることにした。先月はバイパスを極力さけた形での走行になっていたが、距離の長い今回はバイパスを多めに使うことで時間を稼ぐことに。
安倍川を越えて旧道に交わるあたりに、丸子の宿がある。
丸子と書いて「まりこ」と呼ぶ。
この丸子の町は、グルメ雑誌だったか旅雑誌だったかで取り上げられたとろろ汁で有名だ。
昔の佇まいを残す茶屋に入ってみましょう。
しかし、とろろ汁ってこのページでよく出るね・・・好きってことで。
味はまあまあ。雰囲気はよろしいですね。
味、という意味ではこの道はあんまり突出した物のイメージが浮かばない。本当はあるのだろうけど、足早にすぎるだけの沿道にそれを見つけることは難しい。
藤枝に入って渋滞が激しくなった。やはり街を通る旧道は交通量も多い。再びバイパスへ逃げることとしよう。
箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川
今は昔。大井川を我が鉄の白馬はさっそうと越える。
牧ノ原はお茶の名産地。見渡す限り茶畑。
ここもバイパス使用ですね。
静岡西部のバイパスは有料道路がほとんどで、信号もなければ渋滞もほとんど無いが、一応国道なんだよね・・・
天竜川を越えると浜松はバイクの街だ。ホンダ、ヤマハ、そしてスズキ。
これまで無かった速度取り締まり機が現れる。それほどスピードは出していないのに焦る。
最後の有料バイパス、浜名バイパスは遠州灘を横目にしながら走る。
流れの異常に速い、ほとんど高速道路並みの(制限速度80km/h)流れで進む道。距離的な物を考えても浜松から名古屋方面へ向かうなら東名高速を使うのとほとんど時間が変わらないと言うものだ。
箱根を過ぎてから峠らしい峠を越えていない。浜名バイパスからそのまま潮見バイパスを走るとこれも峠らしいところは無い。
旧国道の潮見峠はそこそこの峠道で、バイパスからも望むことができる。
豊橋には市電がある。新幹線の停まる街に市電。このバランスが面白い。
やっぱバイクにゃ青空だねっ!てことで、、豊橋から日が変わってます。あしからず。
東名岡崎インターは関西方面からの利用者が多い。名阪で桑名まで来て岡崎まで国道を走るパターンだ。昼間だと渋滞の激しい国道経由では時間がかかりすぎて利用価値がないが、夜間なら高速を使うよりかなり速い。距離の短さが速さの秘訣。
岡崎は徳川家康のお膝元。岡崎公園は桜の時期にはたくさんの人でにぎわう。
黄昏が忍び寄る。デジタルカメラはこういう色合いが得意で、特に工夫もなくそれっぽい写真が撮れる。
国道23号線を分けて、桶狭間の古戦場、有松絞りの有松を過ぎて名古屋市にたどり着く。
このあたり、バイクで初めて名古屋の街を走った頃とあまり変わっていないかな。
熱田に着いた。
東海道はここから桑名まで「七里の渡し」で海を越える。
日も暮れたことだし、今日はここまでにするかね。
次号に続く