渋の外湯巡り

 もうすぐ冬季閉鎖になっていた道路も開通し始める頃。
 日本一高いところを走る国道、292号線(旧志賀草津道路)も4月には開通します。
 今年は雪も多いので、ゴールデンウィーク頃までは雪が残りそうですが、路面は除雪されますからオートバイでも走ることはできます。高い雪の壁の間を走るのは気持ちのいいもの。

 オートバイといえば旅、旅と言えば温泉(ちょっと強引ですか?)
 長野県側から国道日本最高所へ向かうとき、麓に温泉が多いことに気づくでしょう。
 そのなかでも渋温泉は、苦労(九労)を流し、満願成就の御利益があるとされる9つの外湯巡りが名所。

 それぞれ基本的に無料で入浴できるのですが、無条件に一般開放されているわけではなく、渋の温泉宿に宿泊して宿から鍵を借りて入浴するシステムです。
 渋の温泉宿自体、それほど料金が高いわけではないですが、日帰り入浴で済ませたい場合も多いですね。

 そんなときには、渋温泉駐車場で鍵を借ります。
 入浴料は無料(料金とると入湯税なんかの問題もあるんでしょうか)なのですが、代わりにといっては何ですが、日本手ぬぐいを購入する必要があります。



 これがそのセットです。300円で手ぬぐい一枚と温泉9カ所、高いものではありません。
 鍵を手に入れたら、さっそく外湯巡りを始めましょうか。




一番湯「初湯」
 僧・行基が発見し、「鉢湯」の名で呼ばれていたがいつしか「初湯」の名に、胃腸の病気によく効く湯で、別名を「胃腸の湯」ともいわれている。

二番湯「笹の湯」
 湯治で病気が治ったとき、仕上げに入浴するのがここ、と伝えられている。湿疹や疱瘡によく効き、病気の回復時にも効果がある。

三番湯「錦の湯」
 名の通り、白い湯の花が錦を思わせるこの湯は、含石膏食塩泉の泉質。とくに皮膚病によく効くと古くから伝えられている温泉。

四番湯「竹の湯」
 地獄谷から木の管を使って印湯に成功した温泉で、中高年層の成人病、とくに慢性痛風に効くと言われる。ゆっくりと患部を暖めると良い。

五番湯「松の湯」
 神経痛や軽度の脊椎病、諸病の回復時に卓効があると言われる湯。温泉の中で手足をよく伸ばし、身体をゆっくり動かしてみるといい。

六番湯「目洗の湯」
 文字通り目に効く湯で、大昔から大勢の人がここで眼病を癒した。目を患っている場合は湯で目をよく洗うと良い。また美肌効果も大。

七番湯「七繰の湯」
 7つの病気に効くということなのか、七回入浴すれば全快するという意味なのか、その命名の由来は未だに謎。外傷性の障害に効果がある。

八番湯「神明滝の湯」
 裏山の神明山に湧出している湯で、昔は打たせ湯にしていたという。中枢神経や婦人病に良く効き、子宝にも恵まれると伝わる温泉。

九番湯「渋大湯」
 九湯巡りの総仕上げの湯。結願を込めて入浴することから結願湯とも呼ばれ、渋を代表する名湯。効果はズバリ万病。檜の蒸し風呂もある。


 それぞれの外湯には、スタンプが用意されています。
 手ぬぐいにすべてのスタンプを押し、大湯の上にある温泉神社で結願のお参りをしましょう。

 こうして9つの外湯を駆け足で回ってみました。時間があるときはいいですが、時間がないときに1〜2カ所に絞って行きたい。
 そんなときの私のお勧めは、「目洗の湯」と「大湯」です。


 ここ渋温泉のほかにも、この界隈にはいくつもの温泉がある。すこし下流にある湯田中温泉にも9つの外湯があります。日帰りだけでなく、どこかに泊まってゆっくり湯浴みを楽しむのも良いのでは。


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