File25 二軒茶屋餅

 ただ単に実家に帰るだけなのに、いちいち土産買って帰るのも面倒だな・・・と思って、滅多にそんなことはしないんだけど、それでも例えば無理に休みをはめてもらったとか誰かに代わってもらったとか、なんらかの義理があるならば職場に何か買って帰るのは当然?
 伊勢志摩は観光地だから、土産物には不自由しない。「伊勢名物」と名の付くものが無数にある。赤福、へんば餅、二軒茶屋餅、、、「名物にうまいもの無し」なんて説もあるけれど、それは観光開発のために近年作られたものの話。伊勢のように「お伊勢さん参り」で昔から多くの人が訪れる場所は、土産物にもかなりの歴史がある。今でも名物として残っているものならば、味の方も間違いはないと言っていいだろう。
 しかし伊勢神宮が「お伊勢さん参り」で人を集めることが一般的ではなくなってきて、ただ単に昔ながらの店を構えているだけでは売れない時代になってきた。赤福はそれでも名古屋駅のKIOSKなどでも人気だとかで、それなりの販売ルートは築いているようだが、本店の売り上げが落ち込むようではいけないのだろう。神宮の参道に「おかげ横町」というちょっとしたテーマパーク(?)を作り、自ら集客に努めている。
 へんば餅は、古い店はもっと町中にひっそりとあっただけなのだが、もう結構前にR23沿いに大きな店を構えた。伊勢志摩方面へのメインストリートの途中、まわりに何も無い場所でかなり目立つ。結局、こういう風になんらかの対策をしていかないと生き残れないということか。
 しかし、二軒茶屋餅の店構えは昔から全然変わらない。中に入っても同じように古くさいショーケースに並べられていて、おばちゃんが一人で店番している。
 旧国道の途中という、とてもわかりやすいとは言えない場所。にも関わらず、なんと観光バスまでやってくる。狭い店内にバスから降りたお客さん達が入ると、それはもう凄まじい状況だけど・・・
 まあしかし、やはり何もしないというわけには行かないらしく・・・店の向かい、駐車場の奥には「びやぐら」という地ビールレストランが作られていた。聞いた話では結構好評なのだとか。
 でも、とりあえず本店の方を何も変えないのは逆に好感が持てる。辺りにはゆでた小豆の香りが立ちこめて・・・
 二軒茶屋餅は、こしあんを包んだ小さめの黄粉餅。1個70円ほどで、最小は3個パック(230円)から売られています。お土産用に箱入りのものもあるが、やはり昔ながらの竹皮に包まれたものがいい。2,3日ですぐに硬くなってしまうけど、それでも火で少しあぶるなどすればおいしく食べられます。味は保証しますよ。
 伊勢名物はあんこ餅系しか無いのかって?よく言われますね、それ。いや、他にもあるんですけどね・・・単なる好みです(笑)

文・写真 / 河村 敬


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