バイクのガソリンタンク容量は、せいぜい17リッター(Djebel−XCなど)がいいところ。航続距離は自動車に比べて厳しい。
重量増を嫌って燃料計などは省略されているオフロードバイクなどでは、突然の燃料切れということも多々あります。
もちろん、通常はリザーブがあり、それで50kmは走れるはずです。これは高速道路のサービスエリア間隔から決められたものとかどうとか。
しかし、レーサーなどを公道で使用する場合、リザーブのないタンクも結構あるものです。こういう車両で突然燃料切れになると、どうしようもなくなります。
そんなときに困らないように、ガソリンを少しでも持っていたい。
それにはどんな容器が向いているでしょうか?
ガソリンの容器としては最もメジャーな「シグボトル」
アルミ製の耐圧容器で、CEマーキング適合、ガソリン用として認められている容器です。
アルミ製のボトルは丈夫で軽く、安全性も確保されているので安心して使うことが出来ます。
実はこれを使っていたのですが、写真を見ていただきましょうか。ボトルの中央部に、円周状にキズが付いていますね。このキズはボトル内部まで影響を及ぼしていました。もう少しで破壊するところまで行っています。
このボトルを入れていたテールバッグは、ビス留めでフェンダーに取り付けられていました。ウレタンでカバーされていましたが、振動でそのボルトに少し干渉する様です。シグボトルは丸いので、ベルトなどで固定してあったのですが、これも振動で少しづつ回ってしまい、それが円周のキズになりました。
シグボトルは密閉性が高く、漏れはほとんどありません。それは逆に通気性が悪い、ということでもありました。
夏場に振動の多いバイクに載せておいたガソリンは、気化することでボトル内部の圧力を上昇します。変形した底が圧力を物語っています。
真夏にこのボトルを開けたとき、手では回すことが出来ずに、キャップの穴に棒を突っ込んで回したところ、高圧のかかったボトル内からガソリンが噴出したという、一歩間違えば大事故に繋がる事態になりました。
そしてこのキズ。これは、アルミボトルが必ずしもガソリン運搬に向いていないということが言えます。この一件以来、アルミのボトルは使用しなくなりました。
アルミがダメならプラスチックでどうだ、とポリエチレン容器を用意しました。
灯油用の容器などでおなじみですが、まさかそんな大きなものは持ち運べません。
WhiteBROSから発売されている容器は、ブラケットなども用意されてそのままバイクに取り付けることも出来るようになっています。
本来ガソリン用の容器は赤色になります。この容器は青色で、しかもガソリン用容器としての記載はありません。ですから公式的には使用することが出来ません。
しかしポリエチレン故に、過大な圧力がかかったときには変形して圧力が抜けますし、四角いボトルは取り付けやすいので暴れることなく、結果的に安全性は高いです。
ただし、圧力が抜けると言うことは気化したガソリンが抜けていってしまうことなので、徐々に減っていってしまいます。
あくまで緊急用のガソリンですから、たびたび使うものではない。そうすると入れてから使うまで数ヶ月以上車体と共に揺れ続けるということもあるわけで、必要なときにはほとんど気化してしまっているということも。
どうしてもガソリンが無くなってしまったとき。
仲間がいれば、分けてもらうことにしましょう。それしか方法はないですから。
そんなとき、スチロール樹脂の容器は、ガソリンで融けて無くなります。コンビニなどで販売されているプラスチックのコップは、スチロール樹脂なので使用してはいけません。経験ありです・・・
運搬にはよろしくないですが、PETボトルならガソリンで融けないので、他車から抜いて移すには十分使えます。
さらに、
最近はこういうアルミのボトルでお茶などが出ていますね。中身の確認は出来ませんが、ガソリンには強いので安心でしょう。
ただし、アルミとは言え肉厚は薄く、とても圧力には耐えられませんから、これでガソリンを運ぶことは危険です。絶対にやめましょう。
燃料はこのほか、ストーブ用ホワイトガソリンの運搬でもいろいろと悩むことが多いです。車両の場合は、できるだけこまめにガソリン補給する、と言う手でガス欠を防いでいくしかないですが、それでもどうしても非常事態はあるものです。何か決定的な運搬方法はないものでしょうか。