File20 電線をつなぐ


 昨秋、林道ツーリングに行ったときに点かなくなったヘッドライト。
 そのときに分解調査した結果、原因はバルブ切れではなく接触不良であることが判っていました。

 そのまま乗ると整備不良車ですから、直しましょう。



 接触不良となった個所は、バルブに取り付けるコネクターです。
 H4のバルブですから、GND、Hi、Loの3つの端子があります。今回接触不良になったのはGND(アース)端子でした。これではHiもLoも点灯しません。

 家庭のコンセントと同じ方法で、バネ性を持ったソケット側端子がバルブの端子を挟むことで導通しているのですが、このGND端子が曲がってしまい、接触圧をかけられなくなっていたのです。



 曲がりを修正すれば使えるか、というトライはトラブル時に応急処置として行いましたが、すぐにダメになりました。
 では、と端子を抜いてみたところ、原因がはっきりしました。

 電気の端子ですから、銅で出来ています。
 これに錆が発生しており、折れる寸前になっていたようです。GNDの端子のみ、抜いた際に折れて、しかもリード線が抜けてしまいました。またリード線も黒く変色しています。

 

 コネクターを入手すればいいのですが、値段が結構すること、スペース的に厳しい箇所にやや大きいH4のレンズユニットを無理矢理取り付けている構造から、再度発生することは想像に難くない。車検の必要もあって納期がなかったので、別の方法を採りました。

 バルブの端子は平型で、一般に同じサイズの端子が入手出来ます。しかし、車体側の配線が問題でした。
 車両はヨーロッパ車のフサベル。端子形状が日本国内で販売されている物と少し異なり、サイズも合う物が見つかりませんでした。

 仕方なく、その線をつなぐことにします。

 電線をつなぐのには、半田付けなどもありますが、電気の容量が大きいヘッドライトの場合、熱を発生しますので熱熔解性のある半田は使わない方がベター。
 ここでは、圧着端子と言われる部品を使います。

 圧着端子は、導電性金属で2本以上の線を挟んで、線同士を固定する物です。導電性ですからそれが金属に触れることはすなわち漏電になりますから、保護がされて物が多く売られています。

 

 圧着には専用の工具を使います。専門工具はもっと本格的な物があるのですが、ホームセンターなどにある「電工ペンチ」で十分作業できます。
 0.5〜2.0ぐらいの範囲がありますが、一般的に0.75か1.25の線が使われているはずです。この車両は0.9か?やや細いです。用意したバルブ側の線が1.25なので、圧着端子は1.25用。電工ペンチに「1.25」の文字があるところで圧着しましょう。思いっきり強く握らないと、抜けてきます。

 これで線をつなぎ終わりました。導通確認、点灯確認をして出来上がりです。

目次

inserted by FC2 system