第11回 秋色の国道166号線

 世間が祝日のある日のこと。
 仕事で高速道路を走っていた。いや、停まっていた・・・行楽帰りの渋滞である。晩秋の紅葉狩りに出かけた人たちか。

 紅葉、見に行こう・・・



 国道166号線は、三重県松阪市から奈良県桜井市まで、高見峠を越える山岳国道である。
 国道42号線と分かれると次第に山里の雰囲気が漂い始める。街を離れて30分も走れば立派な山道だ。平野から急に山が立ち上がる三重県の地形を如実に現している。

 

 「伊勢茶」と呼ばれるお茶の産地、飯南町では国道の両脇に茶畑が広がる。
 道の駅「茶倉」でも名産のお茶をいくつも並べている。最近自宅でお茶を入れなくなったが、何かひとつ買ってみるか。



 丘の上に立つ茶倉から櫛田川を眺める。赤い木が目に鮮やか。



 どちらかと言えば急流の櫛田川。大きな岩が浸食されて川を形作る。
 飯南町・飯高町には沈下橋も多い。車では降りられない(たぶん)がバイクなら降りることも出来る。写真など撮っていたら、上を走る国道から見物のバイクが数台・・・降りてくれば良いのに。



月出の里の植物園にて。入る程じゃあなかったのでパス。



 高見峠は、トンネルが出来てから便利になった。
 もっとも、旧道もまだ走ることが出来る。今では舗装されているがそれでも急な細い峠はトラックなどの往来には苦労したものだ。



 奈良県側に入る。
 山の色、赤と黄色。この組み合わせを探しに来たのだった。

 しかし、そこには容易に近づけない。道端にあるように見えているのに・・・

 ま、近づいたら近づいたで、葉っぱしか見えないわけだから。
 美しいものは遠くで見るものだ、という考えもある。



 ほどなく国道165号に合流して、166号線は終わる。
 桜井の街は、とても混んでいた。ここまでの快適な国道とは裏腹に・・・

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