File20 写真を撮る

 写真を撮る。それもバイク旅の楽しみのひとつであると思っています。
 これは、と思ったシーンをフィルムあるいは電子記憶媒体に納める。あとからそれを見て、あのときは・・・と振り返ることもあるでしょう。
 そんな写真の道具、いろいろなものがありますが、私が取材に使っている道具、そのいくつかを紹介してみましょう。

銀塩コンパクトカメラ

 PENTAX Espio928



 デジタルカメラの性能が上がって来た近頃ではめっきり出番がなくなりました。
 デジタルが苦手としていた長時間露光や逆光などの場面において、このカメラは力を発揮します。
 また速度のあるものを撮るとき、連続して撮りたいときなどはまだまだ銀塩フィルムの方が上です。デジタルも連写が効くようになってきましたが、メモリーを貯め込んであとで一括処理をしているので、連写の後に次の撮影にはいるまで時間がかかります。

 それだけでなく、シャッターのタイムラグという部分で優れているのがこのカメラです。
 そして、望遠機能が強化されたカメラは多く存在しますが、広角機能を持ったカメラは数が少ない。その数少ない中でもsmcレンズなど高級機に準ずる構成を持ったバランスの良い機体と言えるでしょう。


 富士カラー 写るんですSuperSlim



 最近多用しているのがこれ。
 何より、電源を使用しないメカニカルシャッターが最大の利点です。つまり、自動で節電回路が働いて停まってしまうことがない。
 これは、シャッターチャンスを伺いながら走っていたりする場合には最大の武器になります。「これ!」と思った一瞬を切り取る、そのときに電源を入れて数秒間の待ち時間・・・ではどうしようもない。写るんですならいつでもシャッターが切れます。

 軽いことも利点のひとつ。ストラップ取付用のフックも用意されているなどなかなか凝ったボディなので、そこに携帯電話用首掛けストラップを使えば、走行中にいつでも使えるカメラとしてこれ以上のものはない一品です。


デジタルカメラ

 Nikon CoolPix880



 Webで使用する写真に、メガピクセルは大きすぎる。
 BACKtoOFFroadでは、最大の写真を400x300に制限していますし、最小では224x168です。元の画像が大きければ大きいほど、圧縮後の画質が荒れる。また圧縮作業にはパソコンの能力を要求します。
 最近のカメラは300万画素オーバーのものが主流になり、確かに画質は上がっています。しかし、そのサイズから最小画像を作る場合、1/100近い圧縮率になります。これではきれいな画像は望めない上に、150MHzクラスのWindowsCEノートパソコンでは10分ぐらい処理にかかったりして使い物にならない。

 必然的に、カメラはVGAモード(640x480)で撮影できることが条件になるのです。
 そして、メディアはコンパクトフラッシュが使いやすい。これは、様々なパソコンに対して、対応幅が一番広いことから選定しています。最近はメディアの価格が安いスマートメディア採用のモデルが増えてきましたが、コンパクトフラッシュを採用しているメーカーはCanon、Nikon、Kodak、Epsonなどなど、何れもその方面の主要メーカー。

 デジタルカメラに求めるのは、その即効性。写真屋で現像・プリントしてスキャナで取り込む必要のある銀塩カメラでは撮影からWeb使用可能になるまでの時間がかかる。デジタルカメラ、とりわけJpeg画像が扱えるモデルならば、外出中でも撮影後数分でWeb公開も可能なのです。

 このCoolPix880は、コンパクトなボディと多様な撮影モードを持つ。マニュアルから動画まで、露光も様々にコントロールできて、一眼レフカメラに迫る機能をもつまでになりました。そして30分まで設定できる節電機能、次の写真までインターバルの短さが評価できます。


 Epson CP−900Z



 これもVGAモード撮影が可能で、デジタル初期のころから定評ある色の表現力に優れている。とりわけ夜間撮影などでの色はNikonを大きくリードする。
 大柄なボディはバイクでの搬送には向かないが、手にフィットする形状は撮影する上でとても使いやすい。

 しかし、問題点も少なくない。
 ピントが合わずに切れるシャッター、ファインダーと画角が上下に若干ずれる傾向にあるなど基本的な部分に難があるのは残念。

 ついでに言うと、このページの写真を撮ったのはKodak DC210Zoomです。すでに現役引退機ですが、今年前半までの取材のほとんどはこのカメラで行ったものでした。


 確かに、「シーンは記憶に焼き付ける」という意見も尊重します。
 それでもそれが写真を否定することに結びつく必要はないと思います。

 今日も私は写真を撮りながら走ることだろう・・・

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