File19 レーサースタンド

 大抵オフロードバイクにはセンタースタンドが付いていません。軽量車はON車両でも付いてませんが。
 サイドスタンドだけで通常は困らないですからね。いちいち面倒なセンタースタンドは立てませんし。

 が、整備するときは別です。両輪が接地してしかも左に傾いたバイク、整備に不便ですね。チェーンオイル挿すのにもタイヤを回さないといけないですから、そのたびに起こして押してみたり、持ち上げてタイヤ回したり。軽いバイクはいいですけど、重くなってくると大変です。オイル交換しようとなると、直立していないとオイルは偏って抜けきらないし、入れても正確な油面になりません。タイヤ交換になるともう大変。前後両輪とサイドスタンドの3点で立っているわけですから、その1点をとりのぞけば立たせることが出来ません。
 こんなときはセンタースタンドが欲しくなりますね・・・

 しかし通常の走行では、はっきり言って邪魔です。重いし。
 そこで、必要なときだけスタンドで浮かせてやろう、ということになります。
 ON車両、特にレーサー系のもののばあい、後輪車軸に引っかけるタイプのモノが多い。公道用市販車両でも83年にSUZUKIのRG−ガンマが採用してから一般的になりました。
 しかしこれは、後輪を浮かせることは出来るのですが、前輪を浮かすことはできません。センタースタンドなら少し持ち上げてやれば行けるのですが、後輪車軸に支点がある場合はなんともなりません。整備目的ではちょっと用途に合いません。

 OFF車両の場合、最低地上高が高く、また大抵の車両は最下部にフレームが通っていますね。
 ここになにかをかませて持ち上げてしまい、前後の車輪を浮かせてしまうのが一番でしょう。
 よく使われるのがビールケースですね。高さが丁度良い様です。ただ、乗せるのが面倒なのです。ここは専用のスタンドを使った方が楽ですね。



 いろいろなスタンドがありますが、一番楽なのはこういったリフトアップ機構付きのものです。
 ペダルを踏むことで100mmほど持ち上がります。120kg程度のOFF車なら、持ち上げるのに力は必要ないです。下ろすときもペダルで解除するだけ。一人で簡単に作業できます。



 気を付けなければ行けないのが、地上高とスタンド高さの関係です。このスタンドはHighタイプで、本来レーサー用のものです。他にトレール用も販売されています。
 レーサーは地上高が高く、またサスペンションがかなり延びますから、スタンドも相当高くなります。
 フサベルの場合、フレーム地上高が320mm以上あり、空荷でのリヤサス縮みが30mmぐらいあります。ですから、使用するのはレーサー用になります。
 このスタンドを、DR250に使ってみましたが、地上高290mmではスタンドが入りません。結果的に、ビールケースに乗せるのと同じになってしまいました・・・

 さて、この手のスタンドは結構値段も張ります。このモデルは13000円程度でしたが、リフト機構のないものでも1万円近いので、機能を考えれば妥当なモノかも知れません。高さが調整できるモノならもっと良かったんですがね〜。
 ・・・お前も技術屋の端くれだろう、自分で作れ、ってか(笑)

目次

inserted by FC2 system