第五回 YAMAHA DT200WR 91’

YAMAHA 3XP DT200WR
1991年、それまでの3ET型DT200Rに代わる車種としてリリースされたトレールマシン。車体部品の多くをYZ125と共有し、基本戦闘力はいまでもかなりのものだ。
 デザインは筆者が以前に担当したスーパーテネレと同じ桜井清章氏で、桜井氏も現在DT200WRを1台所有、泥単連というサークルのイベントに参加されている。
 どっちかというとサーキット向けの車体だが、筆者がコースにはあまり行かないため、林道&アタックユースとしての感想を書いていきたいと思う。
車体構成
 フロントの倒立サスペンションはヤマハの市販車初の採用で、YZ125とはセッティング違いの同一品だ。リアユニットも同様で、トレールマシンとしては珍しく、エア圧調整用のバルブもあり、ピギーバックの加工無しにOHすることが可能だ。
 ブレーキもキャリパーはYZと共通だが、ローターは耐久性なども考慮され、ステンレス製のものに変更されている。ノーマルの状態でも効きはかなりよくまた、コントロール性もかなり高い。
 ハンドル位置は最近のマシンから比べると高くて遠いといわざるを得ない。その辺りはDT200WRの輸出用EDマシン、WR200Rの純正シートを利用するなどして解決できる。
エンジン
 YZ125のものをベースに199.7ccまで拡大したもので、クランクケースリードバルブを採用する。DTらしく低速からそこそこのトルクを発揮し、その加速感は高速域まで延々と続く感じだ。レスポンスも200ccらしくかなり高いのだが、さすがに絶対出力となると、50ccの差がかなり効いてくる。
 燃費は2ストトレールとしては上出来で、筆者の所有車両は大体17〜20km走るのだが、オーナーズクラブでの情報によると、タマによってかなりの個体差があるらしい。2ストオイルの消費量も並であろう。
積載性
見た目とは裏腹に、車体側無加工で実はかなりつめたりする。そのあたりはスーパーテネレと正反対だと思うところだ。サブフレームにある4ヶ所のフックとネットを使うと、2〜3日ほどのツーリングで使う荷物くらいなら、さらっと載ってしまう。しかしこれは宿に泊まるという前提のもとでの話だが。
純正オプション(右写真)やキジマから発売されているリアキャリアを使うと積載性は飛躍的に伸び、筆者はこれの上にキャリアケースを装着し、キャンプツーリングにも出かけたことがある。ただし……、重量物を積載すると、すさまじく安定性にかけるようになる。
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