File17 水を運ぶ

 キャンプツーリング、あなたはどんなところに泊まりますか?例えばひたすら林道をつないで移動して行って、不意に景色の良い場所を見つけたり、滝の近くに広場なんかあるとテント張りたくなりませんか?
 ただの広場でキャンプしようとすれば問題なのは水の確保。山の中に水道なんてあるわけはなく、水を手に入れれる場所から何らかの手段で運ぶ必要があります。「キャンプ場しか泊まらないよ」って人にはあまり縁のない話だとは思うけど、それでも例えばキャンプ場によっては水場が遠くて不便だったりして、手元に水道があったらなぁと思うこともあるでしょう?私のように「通年開設とガイドに書かれた無料のキャンプ場に秋頃行ったら水道が出なかった」なんてこともありますし・・・

 水を運ぶ、もちろんそこに必要なのは水タンク。トランポ利用のツーリングで荷物の制限が無いのならどんなものでも構わないわけですが、オートバイで運ぶ以上、他の荷物の妨げにならない程度のものでなければならないでしょう。パリダカなど極限の舞台では、アンダーガードが水タンクを兼ねているケースが多いようですが、一般の市販車にそんな装備はとても無理。人それぞれ意見はあると思いますが、容量と運び易さを両立できるタンクを考えてみましょう。

 山岳用品のものならば、バックパックで人間が背負うことを基本に考えられているので、運びやすさという点では最も優れているかも。容量は2リットル程度が妥当なのではないでしょうか。大きさの問題もありますが、例えば1合の米を研ぐ・炊く、レトルトのカレーを暖める、コッフェルを洗う、お茶などを飲む、翌朝のコーヒー、歯を磨く、顔を洗う・・・ぐらいのことは2リットルあれば出来ます。(米の研ぎ汁を食器洗い用にとっておくと余裕)
 水を手に入れる場所も悩まなくていいのは市販のミネラルウォーターを買う手段。1.5リットルのボトルならば水タンクとして十分?しかし意外に運びにくい。2リットルの方がまだ形的に運びやすいかも。とりあえず最初に1本買って、あとはそれに補給して使う。利点はもうひとつ、最後には捨ててこれるということ!


 しかし上記の物はやはり2リットル分の大きさは常にあるわけで、水の無いときはもっとコンパクトになればいいのに・・・というわけで、昔はこういうたためるものを使ったこともあります。が、これはダメ。容量は10リットルでしたが、満タンにしたらまず重すぎるし、少な目にしても荷台にうまく固定できない。これに常に水を入れて運ぶことなど出来ません。普段の大きさも上記山岳用2リットルと大差なかったですね。

 で、最近の手段。500mlのペットボトルを3,4本、荷物に小分けして積みます。パッキングはし易いですね。4本のうち1本でもコンロ・シェラカップなどと一緒に取り出しやすいところにパッキングすれば、林道途中でちょっとコーヒーブレイクなんてことも。あと2リットル1本との違いは、林道で落とす心配が少し減る(全部は落ちない)、中身を区別できる(水道水と渓流の水とか)。もし落としたらまた買えばいい。結構旅先で地ミネラルウォーター(?)が手に入って楽しいですよ。



 水をどこで手に入れるか。滝や渓流のあるところでキャンプするなら川の水をそのまま使う?それならタンクを用意する必要はありませんが。しかし更に上流に何があるともわかりませんし、川の水をそのまま飲み水には使いづらいもの。よくあるなんとかの名水も同じ様な物ですか?でもとりあえず生で飲んでも差し支えないから飲めるようにしてあるわけですし。まあ水にあたってツーリング中に腹こわすのもつらいので、その辺は慎重に・・・

文・写真 / 河村 敬


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