7月号でレポートした「Tour de 福井」で、ホイールナットを落とした・・・というのはそのとき書きましたね。
モノがモノだけに、そのままでは走行に支障を来します。部品を探して復旧させるのが一番なのですが、M20x1.5というネジサイズは一般のホームセンターなどで容易に入手できる物ではありません。大きな街(とくに工業都市)では入手も可能ですが、オフロード車の走るフィールド近くにはなかなか見つかりません。
では、なんとかして代用部品でも良いから走らせることは出来ないだろうか?
部品を何かで代用する、というのは、突発修理作業ではよくあること。では、ホームセンターへGO!です。
この写真はナットのついた状態ですが・・・
よく見ると、このアクスルシャフトは、中空パイプです。外径は20mmですが、内径12mmの穴が貫通しています。
ここに、12mmの長ネジを通して締めてしまえば、当面抜けてくることはありません。荷重は直径20mmのアクスルシャフトが受けるわけでなにも変化無く、固定する力などM12でも強すぎるぐらいですから問題ありません。
この絵で、上が通常の状態です。アクスルシャフトの両端をナットで互いに締めているだけです。このバイクはスネルカム方式ではありませんが、スネルカムが付いていても貫通シャフトなら同様に考えて構いません。
この貫通穴に、12mmの長いネジを通します。そのままシャフトを締めたのでは固定になりませんから、スイングアームに締め付けます。今回は片側のナットが付いていましたから、それはそのまま使用し、落とした側のみカラーを入れて、そのカラーをスイングアームにナットで締め付けることにしました。
アクスルシャフトの長さを計ってみたら、220mmありました。競技途中に通りかかったホームセンターの土木コーナーに、長さ250mmのボルトを見つけ、
「これだ!」
と買い込んだのですが・・・
なぜか、シャフトに通らない
おかしいなあ、内径は12mmのはず・・・
よくよく見たら、12mmではなくて1/2インチだった!
「1/2」という数字を「12」と読み間違えた上に、1/2インチは12.7mmなので見た目で判らなかったために間違えてしまったのだった。
結局この店には12mmのネジがなく、それ以下のネジは長さ200mm以上のものが入手できず。
競技終了後、帰路に寄ったホームセンターには、M12の寸切りボルトがあったので、それを購入。
これは問題なく貫通させることが出来ました。
さて、前述通り、このままシャフトにナットをしめても、シャフトは固定されません。そこで、ここにカラーを入れるわけですが・・・
内径20mm以上、長さ20mm以上のカラーなんて、そう簡単には入手できません。でもあきらめてはいけない。ホームセンターを歩き回ります・・・
こういう金具、見たこと無いですか???
これは、ステンレスパイプなどを壁に取り付けるときに使うゲンコツなどと呼ばれているものです。材質はアルミダイキャスト、弱いですが、当面は大丈夫。ステンレスパイプは何種類もありますので、それにあわせたサイズが売られています。ここで使用したのは22mm用。
こうしてワッシャーを入れてやれば、スイングアームにカラーを締め付けることが出来るわけですね。
これが出来上がり状態です。こうすれば、シャフトが抜けることはありません。
これで高速道路を走って帰ってきましたが、全く問題はありませんでした。
但し、長期使用やハードな使い方になると、このままというわけにはいきませんから早急に部品を入手して直さなければなりません。
これは、あくまでエマージェンシーの際の策なのです。