File15 サイドスタンド

 バイクは2つの車輪が一直線に並んでいる乗り物で、その車輪がまた細く丸い形状であるから、停車中はなにかの支えなしでは自立しない。
 レーサーでも無い限りスタンドが装備されているから、それを支えに立たせるわけだ。その多くは車体左サイドに一本のつっかえ棒を立てた形状になるサイドスタンドを装備している。

 このサイドスタンド、やはりそれなりに強度を要求される。それは100kgを越える車体を傾けて支える訳だから当然のことなのだが、まれに必要な強度を有していないモノが存在するのも事実だ。

 そんな一例を・・・



 何度かこの絵は見たことがあるかもしれませんが、「あの」Husabergです。
 この車両はとてもサイドスタンドが弱く、純正のものを4本も折っているのです。折れる箇所はいつも同じでパイプと無垢材の溶接部からなのですが、そのうちスタンド取り付け部にもクラックが入り始めました。こうなると、車体を溶接するしかなくなるのですが、エンジンが近くにあるし、そう簡単にはいきません。

 となれば、何とか他の方法で丈夫にスタンドを取り付けるのがいいでしょう。
 とは言うモノの、基本的にはフレームにブラケットを溶接して、というのがほとんどですから、同じ事になってしまいます。しかし、よくよく探してみると、そうでないものがあることがわかりました。
 SUZUKI RMX(PJ11)やKawasaki KDX200などは、スイングアームにサイドスタンドが取り付けられていたのです。これなら後輪サイズがほとんど変わらないフサベルにも取り付けることが出来るでしょう。
 そこで、SUZUKI歴の長い私はRMX用のサイドスタンドをブラケット付きで入手することにしました。

 どうやって取り付けたらいいか?

 まず、スイングアームを調べてみました。フサベルの場合、5mm厚の角パイプでスイングアームが出来ています。ここにねじ込むとした場合、付属のボルトはM10xP1.25の細目ネジで、最大で4山しかネジがかかりません。鉄なら問題ないのですが、アルミでは締め付け強度的に不安が残ります。
 RMXなどは取り付け位置に5mmほどの座板を溶接してあり、10mm近い厚みを持たせていますからそれでいけるのでしょう。
 そこで、スイングアームにアダプタを取り付けることにしました。

 アルミなら軽くて良いのですが、溶接できるわけではないので、そのアダプタで加重を受ける構造にした方が無難でしょう。
 ここでは、5mm厚の鉄によるブラケットを作り、スイングアームにネジ止めする構造としました。



 単にネジ止めしたのでは直接締めるのと条件が同じになってしまいます。構造的に、ボルトの横加重で受ける様にしてやるしか方法はない、とL型のブラケットを作りました。それを正面から2本、底面から2本のM5xP0.8皿ビスで固定しました。
 その後、サイドスタンド取り付けタップは、鉄ブラケットとアルミスイングアームに貫通でネジを切った訳です。
 こうすれば、引き剥がそうとする力は取り付けボルトのネジピッチ間での引き合いになるので、緩み防止効果も現れます。(もちろん、皿ビスにはネジロック剤を塗布してあることは言うまでもありません)



 こうして取り付けたところ、こういう状態になりました。
 やや地上高が高く、タイヤ外形も少しだけ大きいので若干寝た状態になりますが、特に支障はありません。これで安心してスタンドに加重をかけられる・・・

 ・・・はずだったのですが・・・

 先月のインプレに少しありましたが、このスタンドも折れました(涙)
 それはでも、スタンド立てたままで左側にあるキックを踏み続けたことによるもので、通常使用ならまったく問題はない。サイドスタンドで車体を浮かす、いわゆる「配送ターン」も出来ます。

 スタンドに悩んでいる方々、こんなのはいかがですか?

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