関東地方に春がやってきた。

花々が一斉に開花をはじめ、

にぎやかな雰囲気を描き始めている。

そんな中私は、

春の潮風が吹きぬける、

房総半島へと赴いた。


起点になる群馬は花ぐもり。

朝方はちょっと冷え込んではいるものの、

3月の上旬に比べれば、暖かい。

私は関越道から都内を経由し、館山道で木更津へ。

さらに国道127号線に向かい、

海沿いの道を走っていく。


強いけれど暖かい春の潮風が吹いてくる。


木更津側の沿岸には「道の駅」が多い。

ここ最近、私はここを目的に出かける事もある。

その場所のことを知るのには、ちょうど良いから。

まもなくお昼という時間だったので、

国道127号バイパスにある

道の駅「とみうら」(富浦町)に立ち寄り

隣接する食堂で「あじ丼(800円)」をいただく。

不安定だった天気も良くなり機分は上々だ。


千倉から国道を離れて、県道「海岸通り」に進む。

その名の通り、沿岸に沿って館山市、

そして富浦町へと房総半島の外周を回る道だ。

緩やかなワインディングが続いている道は、

走っていてとても心地が良い。

ゆっくりとした速度で海を見ながら走っていく。


白浜町に差し掛かると崖のほうに

うっすらと野島崎灯台が見えてくる。

明治2年からこの海を見守ってきている。

高さが26メートルっていうと

比較的小さい分類かもしれないけれど、

それでもそばから見れば大きい。

入場料(150円)を払って灯台の上へ。

眼下に広がる風景は想像よりも荒い、海岸線だった。


灯台を離れ、富浦方面へ戻っていく。

海岸通り終点の先はフラワーライン。

道路の両側に延々と花々が咲いている道、

今は菜の花の季節。

黄色いガードレールは潮風にゆれながら、

訪れた人をやさしく出迎えて、

その香りは人にひとときのやすらぎを与える。

私もそんな中を風と共に走りぬいていく。


富浦へ戻り、木更津港へと向かう。

そして房総半島の反対側、

「東京湾アクアライン」を経由し川崎へ。

東京湾の新名所、「海ほたる」に立ち寄った。

海の上に浮かぶ巨大な建物は、

船上の時とはひと味は違う気がする。


今年の春の訪れをしっかりと、

その目でその足で実感した事を

心の中で確認して、帰路へと向かう。

やがて山の木々も鮮やかな緑になる日も近い。

それまでの間に私達は、

自然界の華やかな幕開けを見届けておこう。

レポート:山本 賢史


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