第2回 名阪国道

 名阪国道は特殊な国道だ。
 両端を東名阪、西名阪という2つの高速道路に直結しているが、実体は国道25号線バイパスである。国道25号線自体はさらにもう少しづつ続いているのだが、東名阪・亀山ICから西名阪・天理ICまでの区間を特別に「名阪国道」と呼んでいる。
 両端の高速道路より早く開通した名阪国道、三重・奈良をまたがる山地を越える大動脈だ。

 亀山入り口から入るとすぐに伊勢自動車道を分岐する。東名阪から伊勢道までのわずかな区間は、一般国道である名阪国道を通過している。だれもここでスピードを落とさないので高速道路と勘違いするが、制限速度は60km/hなので注意が必要だ。



 関をすぎると加太越えの山岳路に入る。全線片側2車線の快適なルートだが、大動脈であるだけにトラックなどの商用車が多く走る。坂道も結構きついので、左車線はいつも低速走行を強いられる。右車線はといえば、それこそ高速道路まがいの速度が常に出ている(違反です!)ので、その速度差にとまどう。
 三重県警には名阪ハイウエイ隊という覆面部隊があるので、特に注意が必要だ。もちろん、節度を保っている限り滅多なことはないだろうが。



 伊賀・上野地方にはドライブインもいくつか設定されている。サービスエリアの走りともいえる伊賀ドライブイン、観光バスの御用達・名阪上野ドライブインなどを筆頭として食事・給油の出来るポイントは多い。
 夜間でもガソリンスタンドが営業しているところもあるが、数は少ない(山の中で、名阪通行車だけが商売相手になる)ので、ガソリンが心配なバイクは見つけたところで給油しておくのが無難だ。
 事実ここを走り慣れた私でも、一カ所パスしたせいで危うくガス欠の憂き目にあうところだった、という経験もある。備えあれば憂いなし、早めに手を打っておこう。



 こういう高速道路的な道だから、ほとんど速度超過している。一般国道ではあるものの、オービス系速度取り締まり機は数多く設置されている。
 もちろん警告標識はあるので見落とすことはないはずなのだが、それでも何度かフラッシュが光ったところを目撃しているので、かなり撮られた車が多いのではないだろうか。



 奈良県に入り、高峰PAをすぎると急速に坂を下っていく。カーブもきつく、雨の日にオフロードタイヤを履いた状態では結構ナーバスになる。トラックが後ろから迫ってくるとなかなかの恐怖です。
 この区間は逆方向から走った場合にはその急勾配から速度は低く、また下りでもこの先の高速道路入り口からの渋滞が続くことが多い。この区間は白バイが重点的にあたっているので、決して路肩など走らないようにしたい。



 高峰PAから奈良盆地を望む。天気がよければもっと見えるのだけれど・・・
 夜は街明かりが美しいことは容易に想像できるでしょう。



 坂を下りきれば天理の街。ここから大阪方面へは西名阪の高速道路区間になる。

 国道らしくない国道・名阪国道は、今日も休まず関西と中京を結び続けている。

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