試乗車でツーリング


それは仕事場にかかってきた、一本の電話がキッカケだった。
「BMWジャパンです」
なんだなんだ?そこでよくよく考えてみる。
そういえば先日東京モーターショーへ行ったとき、BMWのカタログをもらうときに
住所氏名もろもろ記入したっけな。でもなぜか仕事場の方を連絡先にしてたのだ。

BMW

ありがちなセールストークで特別ローンがどうとか、オプションサービスがどうとか。
適当に聞き流しそろそろ話が終わろうかというとき、気になる一言が。
「お近くの取扱店にご来店いただければ、試乗車もありますので。」
なるほど、一度試乗してみるのも悪くないな。そこで赤坂のお店を紹介してもらい、
早速電話してみる。すると「試乗」の概念を大きくひるがえす、驚きの案内が。

R1150GSR1100R

よくある試乗とは、販売店の近所を10分程度ウロチョロするくらいですよね?
この試乗は違うんですよ!
「どれくらい(の時間)乗りますか?」と聞かれたので、
「どれくらい貸してくれるの?」と聞き返す。
「当日他に、同車種で乗りたい人がいなければ、一日中乗ってもらっていい」と。
え〜?!じゃぁなにかい?高速道路とか使っちゃってもいいの?
「もう高速でもワインディングでも、どこでも行ってきてください」
わお〜〜♪でもそれじゃ料金とか取られるんじゃないの?
「いえいえ、一切頂きません。保険も無料でございます」
美味しすぎる!!!とりあえず一旦電話を切り、予定を立てることとなった。

天気予報を聞き、絶対雨は降らないと確信できる日に予約を入れる。
住所氏名電話番号、日時と希望車種を告げ、要の試乗時間。改めて目一杯乗りたいと申し出る。すると、
「わかりました。ではその日に他の人から予約がきても、断わっておきます」
うへ〜、なにもこんな奴の為に、そこまでしなくても・・・内心ニンマリ(^^)
結果、試乗は10時〜16時までの6時間ということになった。
乗りたかった車種は「F650」。バイクの説明は来月にあると思われる(?)ので省略。
大雑把には、単気筒650cc、足付きの良い、多少のオフロードならOKなバイク、ってとこ。

東京都港区赤坂2−10−10早速またがっちゃうよ〜ん

いよいよ試乗の日。もう遠足前の子供のように興奮して、前夜はなかなか寝付けなかったです。
でも体調は万全。約束の10時、5分前に到着。すると店頭にはクリーム色のF650が待っていた。
誓約書を記入し、車両の取り扱いを教えてもらい、10分後には、「いざ出発!!!」
ちょうど信号も青だったので、いつものように1→2→3速と加速する。すると・・・
ごめんなさい。ちょっと速度超過しちゃいました(笑)始めはちゃんと慣らし運転しなくちゃね。

ガラガラの館山道

東京から6時間で往復できるところ。ちょっとだけダートも走ってみたいとなると、伊豆では遠い。
となると房総だな。帰りはフェリーで横須賀へ渡り、ぐるりと東京湾を一周してみることにする。
まず首都高に入り、普段利用している9号深川線から湾岸線東京地区を走る。
いつもと同じ速度で走行してみるが、安定感がまるで違うことに気づく。
また、低速車を追い越そうとアクセルを「クイッ」っとひねると、あっというまに車は後方へ。
いやぁ〜もうご機嫌♪ 調子に乗ってついついアクセルは開けがちに。再びごめんなさい。
順調に走行し、東関道〜京葉道〜館山道と乗り継ぎ、終点の木更津南には約1時間で到着する。

林道横尾線、入口

ここからは一般道を経由し、千葉県最長の林道横尾線&大山線を目指す。のどかな田舎道を走り、
体もだいぶ慣れてくる。リーンイン、リーンアウト、と乗車フォームも変えてみたりする。
そんなこんなと楽しんでいたら、もう林道の入り口だ。

チョットだけガレ場ススキの穂

フラットな林道なので、とくに苦にはならない。とはいってもトレール車ではないので、
多少ガレている所では不安定な挙動をみせる。でもそこは大排気量車。
細かい事を気にせずアクセルをドカン!と開けてやれば、スムーズに通過できたりもする。
真剣になって走っていたら、もう終点。転倒することもなく無事通過できた。
林道走行後は、2つめの目的である「東京湾フェリー」に乗るため、金谷港をめざす。

フェリー乗り場乗船中張付けの刑に処す

船が到着すると、まず渡ってきた車両が下船する。全車出終わるとバイクは先行して乗船する。
船体の壁にくくりつけ、輪留めをかまして、固定完了。あとは30分あまりの船旅だ。
たかが知れてる距離なので、目的地の久里浜は目の前に見える。後方を見ると
千葉県の名山「鋸山」が見える。名前の由来は稜線がのこぎりの歯のように見えるから。そのまんまやね。

遠い目のアホギザギザでしょ?

この時点で残り時間は1時間30分。真っ直ぐ帰るには少し早いので、一般道を八景島方面に走る。
なんて余計なことを考えたら、少し道に迷ってしまった...R357を見つけ時間の計算をやりなおす。
どうも寄り道はしていられなくなってしまったので、そのまま首都高速横浜湾岸線へ。
日石三菱の根岸精油所を横目に、三渓園仮入口へ到着。残りは30分ほど。

横浜ベイブリッジ鶴見つばさ橋

長かった一日も、もう終わりだ。夕日を背に受け「横浜ベイブリッジ」「鶴見つばさ橋」、
「レインボーブリッジ」と渡り、赤坂に到着、のはずが、あまりに気持ちよく走行していたものだから、
レインボーブリッジ方面の分岐を見落としてしまった...

バビューーーーン

結局15分遅れで帰着。でもなんのお咎めなし。太っ腹やね〜(笑)
さて、ここまで楽しむと後が恐い。一体どんなセールストークを仕掛けてくるんだ?少々身構える。すると、
「お疲れ様でした」・・・・・へっ?それだけかい?ええ、それだけでした。
預けていた自分のバイクの鍵を返してもらい、はい、さようなら〜でおしまい。
いいのか?本当に?なんか逆に不安なんですけど(^^;;;

そんなこんなで今回の試乗はあっけなく終了。距離は約300kmほど走りました。
これだけの内容が「タダ」で楽しめるのですから、乗ってみない手はありません。
是非、皆さんも体験してきてください。(店舗によっては実施していないかもしれません。ご了承を)


参照

BMW JAPAN

BMW Motorrad Tokyo(福田モータース)

レポート:藤 原 尚 之


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